世界最高ブランデー「ルイ13世」とは?お酒の種類やなぜ高いかを詳しく解説!
世界最高のブランデーとしても名高い、レミーマルタン社の最高級フラグシップボトル、ルイ13世。お酒についてあまり詳しくなくても、ドラマや映画などでこの名前を目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
本記事ではそんな「レミーマルタン ルイ13世」について、なぜ世界最高と言われているのか、名付けの元となったルイ13世という人物について、そして代表的な銘柄まで詳しく解説していきます。
世界最高ブランデー「レミーマルタン ルイ13世」とは?
「レミーマルタン ルイ13世」とは、世界5大銘柄のうちの1つと言われ、品質の高さにも定評のあるレミーマルタン社が手がける製品の中でも、特に最高級とされているコニャックです。1874年にレミーマルタン創業150周年記念の特別ブレンドとして原型が誕生すると、1900年に開催された、史上最高との呼び声高いパリ万国博覧会では、最大級の賞賛を受け表彰されるほどに。
その後もエリザベス女王に献上されるなど、またたく間に世界的な知名度を獲得していったルイ13世は、「世界最高のブランデー」と呼ばれ現在までその絶対的な地位を確立しているマニア垂涎の一品となっています。
世界最高のブランデーは、もちろんその味わいも格別。深く美しい琥珀色をしたコニャックからは、その数なんと数百種以上にものぼると言われる、なんとも複雑で芳醇な香りが立ち昇ります。
また、コニャック等のブランデーは一般的にアルコール度数が40%前後とかなり高めなのにも関わらず、ルイ13世はそれを全く感じさせることがなく、ストレートでも飲みやすい仕上がりとなっているのも特徴。
果実のフレッシュさや花のフローラルな香り、更にはナッツなどのスパイシーさも程よく感じられ、一度口に含めば最高級ゆえの贅沢な味わいをゆったりと楽しむことができるでしょう。
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名前になっている「ルイ13世」について
1600年代にフランスのブルボン朝第2代の国王であったルイ13世に敬意を表し、その名を冠せられたこの銘柄。そんな国王ルイ13世は、本国フランスでは「弱い王」というレッテルが今もはられていますが、実際のルイ13世は「気性の激しい軍人肌」であったそう。
フランスでは人気ナンバーワンの王様アンリ4世の息子であり、太陽王と呼ばれたルイ14世のお父さんでもある王様です。
ここからは、彼がどんな人物であったかについて詳しくご紹介していきたいと思います!
大変な幼少時代
父はアンリ4世、母はマリー・ド・メディシス。
1610年の国王アンリ4世の暗殺で、わずか8歳という若さで王位につきます。
父の暗殺を受けて、「僕が付いていたら、やつを剣で刺し殺したのに。」と雄々しく叫んだそうですが、8歳の彼には暗殺者を殺すどころか、夜も1人で寝られないお年頃でした。
さらにつらかったのはその翌日。
早起きさせられ、朝食はハーブティーだけ、その日の演説を暗記させられ、新国王として高等法院に赴くと言うハードスケジュール。
8歳の新国王にはとても窮屈な儀式であるためか、国王即位宣言は「蚊の泣くような」弱々しいものだったそうです。
ルイ13世は他のどの国王とも違い、主治医が毎日の生活や食事についてこと細かく記していたため、少年時代どんな子供だったかがよくわかる王だともいわれています。
彼は勉強があまり好きではないが、一方で狩り、乗馬、武術には一生懸命取り組む子供でした。
しかし、性格面でいえば、傲慢、嫉妬深い、そして女嫌い。
父アンリ4世がたくさんの愛人を持ち多くの私生児が生まれてくることが彼には耐えられないことだったようです。
とにかく女を嫌い、実の妹を軽蔑し、養育係のモングラ夫人に「お前を殺す」と言う有様。
キレやすい現代っ子のようだったようです。
母は母で、夫アンリ4世と仲が悪く何度も「フィレンツェへ追い返す」を脅迫されていました。
その分息子のルイに愛情を注ぐと思いきや、彼には厳しいしつけを与え、3男のガストンだけに愛情を注ぐと言う偏狭ぶりを見せつけていました。
女性嫌いな一面
ルイが成人宣言をして、結婚式が行われました。
政略結婚というか、親の決めた嫁(スペイン王フェリペ3世王女)との結婚であったため、ルイの女性への軽蔑心は拭い去られてはいませんでした。
2度目の結婚式の後、結婚がきちんと成立するための「床入り」の儀式も、国際政治上、重要な結婚であったのに結局失敗に終わってしまいます。
外交交渉を失敗させたくないと、半ば強引に花嫁のベッドに眠らせる母と、とにかく女が嫌いで嫉妬深く成就を求めない息子。
妻アンヌとの間には22年間王子王女が生まれませんでした。
王族の中では珍しく愛人がいなく、彼はホモセクシャルないしバイセクシャルであるとの噂もありましたが、のちにルイ14世とオルレアン公フィリップ1世が生まれます。
母との政治
ルイの国王即位当時、当面は母マリーが摂政を務めましたが、段々成長するに従って母を排斥して自分から政務をこなすようになります。
国王ルイは結婚騒動以外にも母に不満を持っていました。
「いつまでもガキ扱いしてんじゃねーよ!と彼はいつまでも摂政として自分よりでかい顔をしている母を嫌に思い、早く自分が国王としての責任と義務を果たしたいと思い始めるのです。
政治において母とどっこいどっこいな政策を重ね国王政治、摂政政治…と勢力がひっくり返ることがたびたび起きてしまいます。
しかし、ルイは常に疑り深い人物で、時には暗殺や権力の没収など冷酷な一面を見せる王でもありました。
その後母と和解する時がきますが、有名な宰相リシュリュー枢機卿の失脚問題でルイは母をフランスから追放させ、彼女はブリュッセルに亡命します。
1643年にルイ13世はルーブル宮において41歳で亡くなります。
その後わずか4歳のルイ14世が後を継ぐことになるのです。
また若い王の誕生で、フランスの政治はまた波乱が生まれることになります。
高級ブランデー「ルイ13世」の種類
ルイ13世と一口に言っても、ボトルデザインの異なるものや時代ごとの限定品などが非常に多く、様々な種類が存在していることをみなさんはご存知でしょうか?ここでは、そんなルイ13世の種類と、それぞれの銘柄が持つ特徴についてご紹介していきます。
レミーマルタン ルイ13世(レギュラー)
基本的にいつでも流通している、最もスタンダードな銘柄がこのレギュラーボトルと呼ばれるもの。
クリスタルのボトルに金色のキャップが目印です。
また、長年販売されてきたとても歴史の古いコニャックでもあるので、何度かボトルや付属品、箱のデザインが変更されています。
現行品は2021年にリニューアルされたもので、よりしっかりとした印象の四角い化粧箱へ綺麗にボトルが納められています。
年代によって変わる、ルイ13世のデザインの違いを見比べてみるのも面白そうですね。
レミーマルタン ルイ13世 ブラックパール
「ルイ13世 ブラックパール」は、2007年に世界で786本のみリリースされた限定コニャックです。
なんといってもその特徴は、このブラックパールのためだけに開発された特製のクリスタルボトル。
光の加減によってブラックやシルバー、クロムなど様々な色味に変化する美しいボトルは、当時の最先端技術が惜しみなく使用された至極の一品です。
また、2008年には派生品として1500mlのマグナムサイズが世界限定358本でリリースされています。
レミーマルタン ルイ13世 ベリーオールド
「VERY OLD」という表ラベルの記載の通り、他の銘柄よりもとても長い期間じっくり熟成されているものがこの「ルイ13世 ベリーオールド」。
100年以上前の原酒等も含まれているためとても希少性が高く、通常のものに比べ長期熟成ゆえに生まれる深みのある芳醇な味わいが特徴の1つとなっています。
また、ベリーオールドでは、製造時期によってバカラ製ではなくサンルイ製のクリスタルボトルが使用されている場合があります。
バカラのものではないからといって偽物というわけではありませんので、注意をしておきましょう。
レミーマルタン ルイ13世 レアカスク42.6
自然の作用などの様々な要素が組み合わさり突然変異のようなかたちで生まれた、奇跡的な偶然の結晶とも言えるのがこの「ルイ13世 レアカスク42.6」という銘柄。2013年、世界に738本限定で発売されてから最高傑作と呼ばれ愛され続けています。
レア=滅多にない・カスク=樽、という名前の通り意図的に作り出すことは不可能で、発見された1樽分しかコニャックが存在しないため、とても希少性の高い代物となっているのです。
ちなみに名前の「42.6」は、アルコール度数が42.6度であったことから名付けられています。
レミーマルタン ルイ13世 レアカスク 43.8
「ルイ13世 レアカスク 43.8」は、先程の「レアカスク42.6」よりも前の2009年に世界786本限定で発売され多くの注目を浴びた、ルイ13世初の偶然と奇跡のコニャックです。作られたきっかけは、2004年に発見されたとある1つの樽だったというこの銘柄。
アルコール度数は43.8度と通常のものに比べ少し高めで、その中身はブラックパールをベースに異なる原酒がブレンドされた、まさに普段は味わうことのできないレアな一品となっています。
レミーマルタン ルイ13世 ダイヤモンド・リミテッドエディション
「ルイ13世 ダイヤモンド・リミテッドエディション」は、通常のルイ13世とは一味も二味も違った特別仕様。クリスタルボトルのトップ部分には、鑑定証明書付きのコニャックカラーの美しいダイヤモンドが贅沢に埋め込まれ、その輝きを遺憾なく発揮しています。
2004年に発売されたこの銘柄は日本にも輸入されているのですが、50mlのミニサイズは限定50本、700mlサイズはなんと限定10本のみ!
完全予約制で販売され、限られた人しか購入することのできない、まさに超限定品だったそうです。
レミーマルタン ルイ13世 ブラックパール アニバーサリー・エディション
ルイ13世の発売から140年が経った2014年に世界775本限定で生産された、記念品としての側面も持ち合わせる「ルイ13世 ブラックパール アニバーサリー・エディション」。通常のブラックパールにはない「アニバーサリーエディション」という文字がキャップ部分に刻まれており、より一層特別感を演出しています。
そしてもちろん中身も一級品で、なんと1世紀も前に手作りされた特別なオーク樽からコニャックをボトリング。
この樽からリリースされたコニャックはこの銘柄が3樽目だそうで、その希少性の高さが伺えます。
レミーマルタン ルイ13世 タイム・コレクション ジ・オリジン-1874
レミーマルタンが初めてルイ13世をリリースした1874年。その発売当初のボトルをイメージして、2017年に復刻された限定ボトルが「ルイ13世 タイム・コレクション ジ・オリジン-1874」です。どこか懐かしさを感じさせられるデザインと、その変わらない美しさに惹かれる方も多いのではないでしょうか。
フランスの老舗クリスタルグラスメーカーであるサンルイ製のクリスタルボトルを採用し、マニアやコレクターからの人気も非常に高い銘柄となっています。
レミーマルタン ルイ13世 サルマナザール
2018年に限定発売された「ルイ13世 サルマナザール」は、世界に存在しているコニャックの中でも最も大きいと言われている、その巨大なサイズが1番の特徴です。通常のルイ13世が700mlなのに対し、サルマナザールは9000mlと驚異のスケール感!
重さ15kgのクリスタルボトルに9000mlのコニャックが詰められ、総重量はなんと24kgほど。
当然そのままでは重すぎてグラスに注ぐことができないため、専用のピペットも付属しています。なんともロマンを感じる銘柄ですね。
ルイ13世の販売価格は?
「レミーマルタン ルイ13世」は、最も手に入りやすいレギュラーボトルでも定価20〜30万円ほどと、一般的なものと比べると非常に高価。これが数量限定品や特別モデルになると価格もどんどん跳ね上がっていき、例えばブラックパールですと当初の日本市場での希望小売価格は約100万円。
レアカスク42.6は当初240万円ほどで販売されていました。
そしてルイ13世で1番高い値がつけられているサルマナザールは、販売想定価格が45万ドル。2024年7月時点での日本円で、なんと約7300万円というとんでもない価格!
これは現在世界に存在しているコニャックの高級ボトルの中でも歴代2位に相当するお値段です。
そんなルイ13世の買取相場は、現行品のレギュラーボトルで約15〜20万円前後。
保存のしかたが良く付属品が全て綺麗な状態で揃っていたり、本体・冊子・替え栓に刻印されているシリアルナンバーが全て一致していれば、さらに高額になる可能性があります。
また、銘柄によってはその希少性の高さから定価以上での買い取りになることも。
お持ちのお酒の価値を正しく知るために、ぜひ一度お見積もりしてみることをおすすめします。
ルイ13世が高額な理由
ここまで様々なバリエーションがあり評価も高いルイ13世。実際にはなかなか手が出せないという方も多いと思います。
その理由の1つが、最高級ブランデーと呼ばれるがゆえのその高額なお値段。
ではなぜ、ルイ13世にはこのような高い価格がつけられているのでしょうか?
製造に時間と手間をかけている
ルイ13世は、他のコニャックとは一線を画すほどの圧倒的な時間と手間をかけて、ひとつひとつ丁寧に生み出されています。そのこだわりはまず使用されるブドウから。
ルイ13世には「グランド・シャンパーニュ」という最上級ランクの中でも、樹齢100年を超えている木から採れたものしか使われていません。
そんな貴重なブドウで作られた蒸留酒を40〜100年ほど熟成させて、元となる原酒が完成。
そしてそこから異なる1200種以上もの原酒をブレンドさせ、ようやくルイ13世が出来上がるのです。
そんな途方もない手順を経て作られた、まさに究極の最高級コニャック。ここまで高額になるのも納得の質の高さだと言えるでしょう。
バカラのクリスタルボトルが人気
ルイ13世には中身だけでなくボトル部分にもこだわりが隠されています。バカラ製のクリスタルボトルを使用しており、洗練されたデザインは思わず見惚れてしまうほどの美しさ。
あまりの芸術性の高さから、ルイ13世の空き瓶のみでの取引もコレクターを中心に需要があります。
その人気はなんと中身が入っていなくても買取対象になってしまうほど。オークションサイト等でも空き瓶の出品が度々見受けられます。
現行品の他にも、旧ボトルや限定品のボトルになるとどんどん高額に。
バカラ製のボトルそのもの、そしてそのボトルに詰められているということが、ルイ13世の価値をさらに高めているんですね。
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まとめ
今回は、レミーマルタン社の最高級ブランデーとして広く知られるルイ13世について紹介していきました。かなり本数を絞られた限定品が多いというのもあり普段はなかなか手に取る機会のないレアなお酒ですが、名前だけでなくその歴史やフランス国王ルイ13世の生い立ち等を知ることで、また違った目線でこの銘柄を楽しめるようになるのではないでしょうか。
ボトルも中身も超一級品、所有をしていること自体がステータスになるとまで言われているルイ13世。
ぜひ一度はじっくりと嗜んでみたいものですね。