ゴッドファーザーってどんなカクテル?特徴や作り方を詳しく解説
ゴッドファーザーとは?
多くのカクテルの中でも、大人向け、上級者向けのカクテルといわれているのがゴッドファーザーです。聞き覚えがあるという方もいるでしょう。実はこのカクテルあの名作映画「ゴッドファーザー」からインスピレーションを得て作られたといわれています。 このカクテルが誕生したのは、映画「ゴッドファーザー」の第一作目が公開された1972年頃。映画が世界中でヒットした直後のタイミングといわれています。 では、なぜこのカクテルはゴッドファーザーと名付けられたのでしょう?映画「ゴッドファーザー」は、イタリア系アメリカ人のマフィアのストーリーです。このカクテルには、そんなイタリアをイメージしたお酒が使用されています。
ベースとなるお酒
ゴッドファーザーは非常にシンプルなカクテルです。ベースとなるのはウイスキーで、そこに、独特な香りを持つアマレットというイタリアのリキュールを加えて作ります。ゴッドファーザーの素材はこの2つのみ。非常にシンプルなカクテルながら、芳醇な香りと深い味わいがクセになるカクテルです。 ウイスキーとアマレットの比率に関しては、資料により違いがありますが、一般的には「ウイスキー 3:アマレット1」。ウイスキー45mlとアマレット15mlというパターンが多いようです。ほかにもウイスキーとアマレットを同量にする場合も。カロリーや糖質は?
女性の方にとって、お酒、特にカクテルにおいて気になるのはカロリーや糖質ではないでしょうか?カクテルの中には意外と高カロリーのものもあり、少しだけ意識しておきたいポイントです。 一般的なゴッドファーザー1杯(約60ml)のカロリーは約150kcalと言われています。お茶碗1杯の白米が約160kcalですので、ごはん1杯分のカロリーと考えれば間違いないでしょう。女性にとっては決してカロリーが低いといえるほどではありませんので、カロリーという点でも飲みすぎ注意のカクテルといえます。 一方糖質に関してはほぼ含まれていません。材料であるウイスキー、およびアマレットがほぼ糖質フリーですから当然でしょう。カロリーはやや高いものの、糖質という面では安心して飲めるカクテルといえます。ゴッドファーザーのベース①ウイスキー
続いてゴッドファーザーのベースとなるお酒、リキュールについてみていきます。まずメインとなるウイスキーに注目をしてみましょう。
どんなウィスキーでもいいの?
ゴッドファーザーに使用されるウイスキーに限定はありません。どんな銘柄でも、どんな種類でもゴッドファーザーを作ることができます。 しかしゴッドファーザーの名前の由来が、映画「ゴッドファーザー」であることを考えれば、少しこの映画を意識したいところ。この映画の舞台となったのは禁酒法時代のニューヨークです。禁酒法時代のアメリカで、密輸されて闇市場に出回っていたウイスキーといえばスコットランド原産のスコッチウイスキー。 せっかくゴッドファーザーという名のカクテルを楽しむのであれば、映画の時代背景にあったスコッチウイスキー、もしくはイタリア系アメリカ人マフィアのストーリーというところから、イタリアのリキュール・アマレットとアメリカンウイスキーで作るなどがおすすめです。 繰り返しになりますが、基本的にはどのウイスキーでもゴッドファーザーは作れます。しかし、ウイスキーを選べるようなケースでは、こうしたイメージを持ってカクテルを楽しむのも、よりお酒を楽しめるコツかもしれません。ウイスキーの種類で味わいが変わる
ゴッドファーザーはウイスキーとアマレットのみで作られるカクテルです。しかも一般的にはウイスキー3に対してアマレットが1の割合ですから、使用するウイスキーでゴッドファーザーの味わいも大きく変化します。 では、ゴッドファーザーを作るにあたり、おすすめとなるウイスキーの銘柄をいくつかご紹介していきましょう。 もちろんバーなどで楽しむのもおすすめですが、材料は2種類だけですから、ご自身で用意すれば自宅でも楽しむことが可能です。好きなウイスキーがある方、普段と違ったウイスキーの飲み方などを探している方は、お好きなウイスキー、もしくはここで紹介するおすすめ銘柄を用意して、自宅で楽しむのもいいでしょう。おすすめウイスキー①バランタイン
世界中に多数あるスコッチウイスキーの中で、もっとも人気が高く、多くの方に好まれているのがバランタインでしょう。大麦麦芽をベースとした「モルトウイスキー」と、穀物をベースとした「グレーンウイスキー」を複数ブレンドさせる「ブレンデッドウイスキー」と呼ばれる種類になります。 ブレンデッドウイスキーということで、複雑な味わいや香り、奥深さが特徴で、かつ飲みやすさも併せ持っていますので、ウイスキー初心者の方でも非常に飲みやすいスコッチです。ゴッドファーザーに使用してもこの特徴は損なわれず、飲みやすく、かつ芳醇な味わいと香りを感じるカクテル。コッドファーザーを飲みなれていない、初めて飲むという方にはおすすめのウイスキーです。
おすすめウイスキー②ハイランドパーク
ハイランドパークも世界的に人気の高いスコッチウイスキー。バランタインと同じスコッチウイスキーではありますが、ハイランドパークは大麦麦芽を使用したシングルモルトウイスキーですので、その味わいは大きく違います。 ハイランドパークの味の特徴は、スモーキーな香りと甘みと苦みの絶妙なバランスでしょう。バランタインよりも、よりウイスキー感を味わえるスコッチといえます。 ゴッドファーザーに使用しても、この味わいのバランスやスモーキーな香りは損なわれることはなく、より大人向けのゴッドファーザーになるでしょう。おすすめウイスキー③響
スコッチウイスキーではなく、ジャパンウイスキーでもおいしいゴッドファーザーは作れます。中でもおすすめは響でしょう。響はジャパンウイスキーの中でも世界的に人気の銘柄である「山崎」と「白州」をブレンドしたブレンデッドウイスキーです。ブレンデッドウイスキーという点ではバランタインに近いイメージかもしれません。 芳醇な香りにほのかな甘みが特に女性に人気のウイスキーです。アマレットと合わせるゴッドファーザーの場合、甘みのあるウイスキーが合うともいわれており、その点でもおすすめの銘柄といえるでしょう。ゴッドファーザーのベース②アマレット
ゴッドファーザーに使用されるリキュール・アマレットは、イタリアのリキュールです。日本ではあまりなじみのない方もいるかと思いますので、まずはアマレットの特徴などについて簡単に解説していきましょう。アマレットの特徴
アマレットというリキュール最大の特徴は香りと甘みでしょう。アマレットにはアーモンドのような香りと、アーモンドの風味を思い起こさせるような甘みとほろ苦さがあります。 しかしアマレットはアーモンドのリキュールではありません。アマレットの原材料はアンズの核。この核をブランデーに漬け込んで作られるのがアマレットです。ちなみにイタリア語でアマレット(Amaretto)とは、「ほろ苦いもの」という意味になります。アマレットの成り立ち
アマレットの成り立ちにはある恋の逸話があります。アマレットが誕生したのは1500年代初旬。ベルナルディオ・ルイーニという画家が、イタリアのサローノ町の教会でフレスコ画を描くことになりました。 この時ルイーニは町の宿屋に滞在しますが、その宿屋で働く未亡人女性の献身的な仕事ぶりに感激し、フレスコ画のマリア様のモデルとします。 この計らいに感激した未亡人女性は、何かお礼をと考えますが、お世辞にも裕福とは言えない女性には贈るものがありません。そこで未亡人女性は、アンズの核をブランデーに漬け込みリキュールを作りルイーニに贈りました。これがアマレットの原型といわれており、ルイーニと未亡人女性の愛のリキュールといわれる理由です。 アマレットのオリジナルは「アマレット・ディ・サロンノ」という銘柄であり、このアマレットは原型の作り方を今でも踏襲しているといわれています。アマレット・ディ・サロンノは、現在においても世界で最も愛されているアマレットであり、日本国内でもこの恋のリキュールを楽しむことができるでしょう。ゴッドファーザーの飲み方と注意点
ここまでゴッドファーザーの作り方や、その原材料、さらに原材料にまつわる逸話などに触れてきましたが、カクテルである以上大事なのは飲み方です。ゴッドファーザーにもそれなりの飲み方があり、飲むにあたって注意すべきポイントがあります。
ゴッドファーザーはロングカクテル
まずは大前提として、ゴッドファーザーはロングカクテルになります。カクテルには「ロング」と「ショート」がありますが、これは使用されるグラスのサイズのことではありません。 ロングとショートの違いは、飲むのにかける時間の違いです。ショートカクテルはでき上がったらすぐに飲むタイプのカクテルで、ロングカクテルは比較的長い時間をかけてじっくり楽しむカクテルになります。 ゴッドファーザーはロングカクテルになります。ウイスキーの香りやアマレットの風味を楽しみながら、ゆっくり時間をかけて楽しむのがおすすめです。甘すぎるカクテルに飽きた方におすすめ
ゴッドファーザーはウイスキーとアマレットのみでできあがるカクテルです。甘みがあるとはいえどちらもリキュールですから、甘みといっても風味の話で実際に甘いということはありません。 カクテルの中には口当たりが甘いカクテルも多く、特にお酒に慣れていない方などには好まれる傾向があります。ゴッドファーザーはこうした甘いカクテルに飽きた方におすすめのちょっと大人のカクテルです。 甘さだけではない、ウイスキーの持つ風味やアマレットというリキュールの持つ風味や香りなどを楽しむことができるカクテルになります。度数は高めなので注意
アルコール度数という点では、使用するウイスキー次第という部分があります。一般的なゴッドファーザーのアルコール度数は25~30度程度、度数の高いウイスキーを使用すれば35度以上になることもあります。 アルコール度数の高いカクテルのため、この点でもどんどん飲み続けるのはおすすめできません。じっくりと時間をかけて、その香りや風味を楽しむようにしましょう。ゴッドファーザーのバリエーション
ゴッドファーザーにはいくつかのバリエーションがあります。バリエーションはウイスキーをほかの酒に替えるパターンと、アマレットをほかのリキュールに替えるパターンがあります。 そんなゴッドファーザーのバリエーションともいえるカクテルをいくつか紹介しましょう。
ゴッドマザー
ゴッドファーザーのウイスキーをウォッカに変更すると、ゴッドマザーというカクテルになります。ゴッドマザーはゴッドファーザーのアレンジとして誕生したカクテルといわれており、誕生はゴッドファーザーよりも後ということです。 香りや風味が芳醇なウイスキーを、比較的風味や香りが少ないウォッカに変えることで、アマレットの持つ風味や香ばしさ、甘みなどをより深く楽しめるカクテルとなり、また飲みやすいカクテルに変化します。 アマレットにもいくつかの種類がありますので、アマレットの風味や香りの違いを楽しみたい方には、ゴッドファーザーよりもゴッドマザーの方が分かりやすいかもしれません。 ただし、ベースがウォッカであり、ゴッドファーザー同様にアルコール度数は低くありません。ゴッドファーザー以上に飲みやすいカクテルですが、飲みすぎには注意しましょう。フレンチコネクション
ゴッドファーザーではウイスキーを使用しますが、フレンチコネクションではブレンデーを使用します。名前の由来は「ゴッドファーザー」よりも半年ほど前に公開された映画「フレンチ・コネクション」です。 ゴッドファーザーは映画の登場人物がイタリア系アメリカ人ということで、禁酒法時代に闇市場に出回っていたスコッチウイスキーとイタリアのリキュールという組み合わせでしたが、フレンチコネクションはフランス原産とされるブランデーを使用しています。 ブランデーを使用することで、より甘みのある口当たりとなり、香りも芳醇に。使用するブランデーに限定はありませんが、映画の雰囲気を味わいたいのであればフランス原産のブランデーをあわせるのがいいでしょう。 フレンチコネクションもゴッドファーザー同様、アルコール度数は高く、飲みすぎには注意したいカクテルになります。ラスティネイル
ラスティネイルの名前の由来には2種類あり、ひとつは英語として直訳した「Rusty(錆びた)」、「Nail(釘)」。でき上がったカクテルが錆びた釘と似た茶褐色であることから名付けられたという説があります。もうひとつはイギリス英語の俗語で、「古めかしいもの」という意味から名付けられたという説です。 ラスティネイルに使用されるドランブイは、スコットランド発祥のリキュール。スコッチウイスキーの中でも、モルトウイスキーをベースに作られるリキュールです。 ゴッドファーザーの場合は、ウイスキーの種類は問わずでしたが、ラスティネイルは基本的にスコッチウイスキーで作られます。そう考えると、スコッチウイスキーにスコッチウイスキーベースのリキュールを加えるカクテルということになります。 ゴッドファーザー以上にスコットランドの味を味わえるカクテルであり、スコッチが好きな方にはより飲みやすいカクテルかもしれません。 口当たりはまろやかで非常に飲みやすいのがラスティネイルの特徴ですが、アルコール度数の高さも特徴的で、使用するウイスキーによってはアルコール度数は40度を超えることも。 ロングカクテルですから、ゆっくり氷を溶かしながら風味を楽しみましょう。まとめ
ゴッドファーザーは、ウイスキーベースのロングカクテルです。名前の由来は名作映画「ゴッドファーザー」から。ウイスキーにイタリアのリキュールであるアマレットを加えて作ります。 使用するウイスキーは限定されません。お好きなウイスキーで作ることが可能です。しかし、本当に「ゴッドファーザー」という名作映画の世界を再現するのであれば、スコッチウイスキーで作ることをおすすめします。 ロングカクテルであるゴッドファーザーは、時間をかけてゆっくりと楽しむカクテルです。アルコール度数は25度以上が一般的で、決して弱いお酒ではありません。甘いカクテルに飽きたからと言って、飲みすぎにはご注意ください。 飲みすぎが推奨できないのはカロリーの面にも理由が。一般的なゴッドファーザーのカロリーは、1杯約150kcal。これはお茶碗1杯分の白米に近い数値であり、ダイエット中の方にはちょっと高カロリーな飲み物になります。 甘いカクテルに飽きた方は、ゴッドファーザーのような少し大人なカクテルを、その香りや風味を楽しみながらゆっくりとたしなむのがおすすめです。