こんにちは!
お酒買取専門店ファイブニーズのコラム、
今回のテーマは『ブランデーは買ってからも自宅で長期保存したら熟成される?』です。
ブランデーって、ほとんど全てのものに熟成期間を表す表記がされていますよね。
以前のコラムで、熟成タイプのワインは適切に保存することにより熟成が進む、とご説明しましたが、ブランデーの場合はどうなのでしょうか。
今回はブランデーの熟成について、ご説明していきたいと思います!
目次
■まずブランデーって?
■熟成する前に、まず腐らないの?
■家に長年あるブランデーはさらに熟成されている?
■まずブランデーって?
ブランデーとは、
果実から造った蒸留酒で、アルコール度数は
40~50度です。
14世紀フランスでブドウ大豊作の年があり、消費しきれないブドウを腐敗させないようワインを蒸留したのが始まりと言われています。
ブランデーの名称の由来は、フランス語の
「ヴァン・ブリュレ(熱を加えたワイン)」からきており、これが各国を流通するうちにだんだん呼び名が短縮され、現在のようなブランデーという名前になりました。
ナポレオン時代に各国に広がったことから、別名
「征服者の酒」とも呼ばれています。
原料で最も一般的に使われているのは
ブドウ果汁で、他にはワインを造られた後のブドウの絞りかす(マール、グラッパ)、リンゴ(カルバドス、アップルジャック)、サクランボ(キルシュ)、その他様々な果実も使われます。
ブランデーには、ウイスキーと同じように
樽熟成した琥珀色のものと、
樽熟成しない透明なものがあります。
熟成させたブランデーのうち、
『VO』『VSO』『VSOP』『XO』などといった物や、他には
『EXTRA』『NAPOLEON』『★★★(スリースター)』などの表記があるものがあります。
これは、ブランデーの2大産地である
コニャックとアルマニャックに、コニャック事務局とアルマニャック事務局が
熟成年数による基準を定めたものであり、他のブランデーには特に規制は無いのでお気をつけください。
熟成年数については下記の表を参考にしてみて下さい。
●コニャック
熟成年数3年以上・・・スリースター
熟成年数5年以上・・・VSOP(Very Superioe Old Paleの略)
熟成年数7年以上・・・XO(Extra Oldの略)、エクストラ、ナポレオン
●アルマニャック
熟成年数2年以上・・・スリースター
熟成年数5年以上・・・VO(Very Oldの略)、VSOP
熟成年数6年以上・・・XO、エクストラ、ナポレオン
■熟成する前に、まず腐らないの?
ウイスキー・ブランデーなどが何年間も放置されているご家庭もあると思うのですが、飲めるものなのでしょうか?
これらの酒類は何十年か寝かせれば寝かせるほどうまくなるという話を聞いたりしても、品質的に大丈夫か疑問な方もいらっしゃるのではありませんか。
ビール、日本酒、焼酎など他の種類は長期間の保存は無理です、なぜウイスキーやブランデーは大丈夫なのでしょうか?
第一、水分の新鮮さが長期間の間に失われるように思えますよね。
その答えは、
アルコール分が10%維持されていれば腐りません。
ウイスキーやブランデーは通常アルコール
40%以上あるので、腐敗菌が繁殖することはありません。
ただし保存状況は大切です。
品質は低下しにくいですが、日の当たる所や暑い所での保存は劣化を進ませます。
さらに、蓋のコルクなどが傷んでいてアルコール分が抜けてしまうと、ウイスキーやブランデーも痛み、飲用出来なくなります。
アルコール分が40%以上あるため、残ったウイスキーやブランデーも約半分程度になります。
ワインの場合もそうですが、正しく保存していても
液面が低下している場合がありますので、減っているからといって100%痛んでいるわけではありません。
瓶詰めされてからの、天使の分け前ということですね。
■家に長年あるブランデーはさらに熟成されている?
ウイスキーやブランデーはディスティラリー(蒸溜所)で長期間、樽の中で熟成させてから出荷されます。
そして瓶詰めをされたものは、
その時点でそれ以上の追熟はありません。
よく誤解されますが、熟成されるのはあくまでも
樽に入っている場合でワインのように瓶の中でも熟成が進むことはありません。
ちょっと残念ですね…。
ただしこの考え方については、実は賛否両論なのです。
瓶詰めされた蒸留酒であっても、
瓶の中で水とエタノールが馴染む(まろやかになる)のは真実だといっている書物もあります。
その本によると、水とエタノール以外の成分によって、馴染みやすいものとそうでもないものがあるそうです。
中でもウイスキーはほぼ馴染まず、焼酎はやや馴染むようです。
いずれにしても相当な時間が必要だということは間違いありません。
これを熟成と呼ぶのか、変質と呼ぶかは、微妙なところです。
個人的には、そのお酒の生産者が意図していない以上、変質と呼ぶべきだと思います。