「コニャック」とはどんなお酒?ブランデーとの違いやおすすめの飲み方まで!
ブランデーの中でも特に品質が良く人気の高い世界3大ブランデーのひとつ、コニャック。
名前はよく目にするものの一体どんなものなのか、どんな特徴があるのかよく知らない方もいるのではないでしょうか。本記事ではそんな「コニャック」について、生産地や代表的な銘柄、おすすめの飲み方まで詳しく解説していきます。
コニャックとは?どんなお酒?
コニャックとは、フランスのコニャック地区で生産されているブランデーの一種です。数多くの種類があるブランデーのうちブドウを原料にしたものを「グレープブランデー」といいますが、コニャックはその中でもフランスのボルドー地方北部、コニャック地方で栽培されている上質なブドウが使用されています。
そんな上質なブドウで製造されたワインをまず2度蒸留しアルコール度数を高めた後、リムーザン産やアリエール産等のオーク樽に詰められ、熟成されます。
その熟成期間は最低でも2年間。
銘柄によっては何十年もの間じっくりと熟成され、美しい琥珀色をしたブランデーが出来上がります。
そしてその過程でA.O.C.(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)という認証制度に定められた厳しい規定をクリアした特に高品質なもののみが、「コニャック」という名前を名乗ることができるのです。
コニャックに使用されるブドウの品種とは?
コニャックは、製造の際に使用することのできるブドウの品種もいくつか指定されています。その中でも最もポピュラーな「ユニ・ブラン」は、柑橘類やハーブの爽やかでフルーティーな味わいが特徴。
イタリアのトスカーナ地方原産で、イタリアでは「トレッビアーノ」と呼ばれています。
「フォル・ブランシュ」はユニ・ブランとは対照的で、このブドウが使用されているコニャックは全体の1%ほど。
とても繊細でカビ等の病気にも弱く、育てるのが大変なため現在ではとても貴重な品種となっています。
他にも程よい酸味とフレッシュな果実の風味が特徴的な、主にフランスやアメリカで栽培されている「コロンバール」、ほのかな苦味と穏やかな果実の香りが落ち着いた余韻を生む「セミヨン」など、同じコニャックでも使われているブドウの品種によってそれぞれ違った味わいを楽しむことができます。
コニャックの産地は6つの地区に分けられる
コニャック地方には土壌の質によって異なる6つのエリアが存在していますが、そのうちグランド・シャンパーニュ、プティット・シャンパーニュ、ボルドリー、フォンボアの4つは特に代表的な地域であると知られています。
その他にも南西部に位置するボンボアや北西部に位置するボアオルディネールがあり、それぞれ異なる個性を持つコニャックが生み出されているのです。
グランド・シャンパーニュ
グランド・シャンパーニュは、コニャックにおけるブドウの最良の産地と言われています。コニャック地方の中央に位置しており、その上質さからコニャックによく使われ、使用率は全体の約75%と大部分を占めるほど。
数々の高級ワインが製造されているシャンパーニュ地方と同じ石灰岩層の土壌からは、繊細ながらも力強く、更にはエレガントさまでも持ち合わせた芳醇な香りが特徴的な最上級のコニャックが、日々数多く生み出されています。
プティット・シャンパーニュ
プティット・シャンパーニュはグランド・シャンパーニュを取り囲むように広がる地域で、2番目に優れた産地として知られています。グランド・シャンパーニュの洗練さには劣るものの土壌などの質がよく似ており、旨味の凝縮された濃厚な風味ながらも優しく穏やかな一面も持つ、とても質の良いコニャックとなっています。
また、この地域で作られたコニャックは比較的早熟であることも特徴のひとつと言えるでしょう。
ボルドリー
ボルドリーはグランド・シャンパーニュの西北、森林地帯に位置しており6つの中で最も面積の小さい地域です。石灰層が分解されたフリント質という土壌が広がっていることが特徴です。
ボルドリーで生産されるコニャックはとても柔らかくコクがあり、他のものと比べてまろやかな味わいとなっています。
また、スミレやユリ等の華やかなアロマを感じられるという一面も。
熟成期間が短くても品質の良いコニャックが出来ると高く評価されています。
フォンボア
フォンボアは広大な森林地帯にある地域で、6つの中で最も大きな栽培面積を誇ります。粘土質を含む赤みがかった土壌が特徴的で、フォンボアで作られるコニャックはその柔らかさとフルーティーな味わいで高い評価を受けています。
また、フォンボアとして初めてブドウ畑が開墾された地域のことを「プルミエ・フォンボア」と呼び、その土地ではまた異なる個性を持った、独特な風味のブドウが育ちやすいと言われています。
こうして飲み比べができるのも、フォンボアの楽しみ方のひとつと言えるでしょう。
ボンボア
ボンボアの最大の特徴には、ブドウ畑のみが集中しているのではなくブドウ以外の畑や松林、放牧地等の様々なものの中にブドウ畑が点在していることが挙げられるでしょう。ボンボア全体の約37万ヘクタールのうち、9300ヘクタールほどがブドウ畑の土地となっています。
この地域のブドウのみで作られるコニャックは少なく、8割程度は他のものとのブレンドなどに使用されています。
ボアオルディネール
ボアオルディネールは、その地域特有の砂質を多く含み石灰質の少ない土壌と海風の影響を受ける気候により、作られるコニャックは比較的平凡な味わいのものであると言えるでしょう。ボアオルディネールで生産されるコニャックはやや荒く独特な味わいが特徴的なため、ボンボアと同様単一のブドウで作られるものはあまり多くはなく、主にブレンドの際に使用されています。
フィーヌ・シャンパーニュとは?
6つの地域のうち、上位であるグランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュの2つの原酒のみを使用して作られたコニャックは「フィーヌ・シャンパーニュ」と呼ばれています。ブランデーが多く作られるフランスとイタリアは共にワイン王国であり、生産地の名前が言わばロマネコンティやムルソーといった特定の場所を記す格付けのようなものになっているため、フィーヌ・シャンパーニュはとても高い評価を受ける逸品だと言えるでしょう。
それではなぜレミーマルタンやヘネシー等の大手メーカーは最も格の高いグランド・シャンパーニュ100%ではなく、フィーヌ・シャンパーニュを製造しているのでしょうか?
その理由は、グランド・シャンパーニュの面積がとても小さく、100%にすると生産量が足りなくなってしまうからです。
プティット・シャンパーニュを混ぜることで生産量を確保しているということなんですね。
コニャックの等級とは?
コニャックの銘柄に「ナポレオン」や「X.O.」等の単語が付いているのをみなさんもよく目にすると思いますが、実はコニャックには熟成度合いによってそれぞれ等級が存在しているのです。フランス事務局によって基準が定められており、熟成年数を「コント」という単位で表します。
コントの数によって品質や値段が変わってくることもあるため、銘柄名はよくチェックしておくといいでしょう。
等級 | 熟成年数 | コニャックの特徴 |
スリースター | コント2以上(2年熟成) | 爽やかでフレッシュな味わい |
V.S. | コント2以上(2年熟成) | 飲みやすいので初心者の方におすすめ |
V.S.O.P. | コント4以上(4年熟成) | お手頃ながらも程よくシャープな味わい |
ナポレオン | コント6以上(6年熟成) | コクがありまろやか、特別な日のお供に |
X.O. | コント10以上(10年熟成) | 長く熟成されたコニャックゆえの奥深さと複雑さ |
オールダージュ | コント10以上(10年熟成) | 最も品質が高く、普段とは一味違うコニャックを楽しみたい方におすすめ |
コニャックの5大銘柄(ブランド)!
コニャックにはたくさんの銘柄がありますが、その中でもヘネシー、レミー・マルタン、マーテル、クルボアジエ、カミュは「5大銘柄」として広く知られています。コニャック全体の販売量の実に8割近くを占めており、この業界の要となっている5大銘柄を詳しく見ていきましょう。
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①ヘネシー
ヘネシーは、アイルランド出身のリチャード・ヘネシー氏によって1765年に設立された世界最大規模のコニャックブランドです。
「ブランデーの王様」とも呼ばれるほどコニャック業界では抜群の知名度を誇っており、日本でも明治時代と古くから親しまれてきた、まさに至極の逸品です。
そしてもちろん美味しさへのこだわりも一級品。
例えば使用するブドウには独自に厳しい審査基準を定めており、どれだけ綺麗なものでも基準を満たしていなければコニャックに使われることはありません。
そんなこだわりを追求し続けるヘネシーのコニャックは、等級や銘柄によって感じられる味わいも様々。
世界で初めて「X.O」の名前が与えられた「ヘネシー X.O」を始め、お手頃にヘネシーを体験できる「ヘネシー V.S」など、色々なニーズに対応できるレパートリーの豊富さも人気の秘訣と言えるでしょう。
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②レミー・マルタン
レミー・マルタンは、1724年から約300年続くレミー・マルタン家とエリアール=ドゥブルイユ家の二つの家族によって経営されている老舗コニャックブランドです。
フィーヌ・シャンパーニュの製造のみに特化しており、厳選されたブドウと一流の職人によって醸造される最上級のコニャックは、世界中のマニアから高く評価され熱烈な支持を集め続けています。
レミー・マルタンには様々な銘柄が存在していますが、特に代表的なのはVSOPとXOの2種類。最もポピュラーな「レミー・マルタン VSOP」はまろやかで軽い口当たりがとても親しみやすく、また値段も手軽な範囲なので初心者の方にもおすすめです。
最上級品の「レミー・マルタンXO」は、なんと400種以上の原酒がブレンドされているまさに究極の一品。芳醇な香りと複雑な余韻に魅了されること間違いなしです。
③マーテル
マーテルは大手コニャックブランドの中でも特に古くからの歴史があり、1715年に創業された老舗メーカーです。
ボルドリーのブドウを贅沢に使用し、当時から続く独自の製法で華やかながらも複雑な味わいのコニャックを生み出しています。
特に「マーテル コルドンブルー」はマーテルといえばこれ、とも言われるほどに代表的な銘柄。スミレを思わせる香り豊かな風味が特徴です。
そんなマーテルのロゴにはツバメを模したゴールデンスワローがあしらわれているのですが、実はそこにとある出来事が存在していることをご存知でしょうか?
原酒が出来上がり初めて貯蔵庫から出されるという日に、なんとツバメがそのオーク樽の上を飛んでいたのだそう。
そしてその日以来、ツバメは品質の高さや伝統を守り続けるマーテルの象徴となっているのです。
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④クルボアジエ
クルボアジエは、あのナポレオンが愛したとも言われている1809年に設立されたコニャックブランドです。
ナポレオン1世を始め、後継者のナポレオン3世もクルボアジエのコニャックを好み、王室御用達にしていたのだそう。
そんな数代に渡るナポレオンに関する逸話もあり、別名「ル・コニャック・ド・ナポレオン」とも呼ばれています。
現在はサントリーが所有しているため、日本でも手に入りやすく楽しみやすいコニャックのひとつとなっています。
クルボアジエのコニャックは、等級によって味わいがそれぞれ異なるのも大きな特徴。
最も若い年数の「クルボアジエ VS」は熟成期間が短いがゆえのフレッシュさがなんとも初々しく、対してXOの最高級「クルボアジエ ナポレオン」は長期熟成で出たコクのバランスがたまらない、ナポレオンの名を冠するにふさわしいマニア垂涎の一品です。
⑤カミュ
カミュは、1863年の創業から5世代にも渡って上質なコニャックを作り続けている家族経営の老舗コニャックメゾンです。ボルドリーで収穫されるブドウをメインに使用しており、カミュがボルドリーに保有している土地は約180ヘクタール、なんと東京ドーム約38個分!
コニャック作りへの本気さがひしひしと感じられます。
そんなカミュの特徴は、どのブランドよりも個性的なボトルのデザイン。
樽型のデザインやブック型のボトルに思わず目を奪われてしまった方も多いのではないでしょうか。
もちろんその味わいも絶品で、全体的にまろやかで日本人好みの飲みやすいコニャックだと言えるでしょう。
特に定番商品「カミュ VSOP エレガンス」のフルーティーで芳醇なアロマは、初めてカミュのコニャックを飲むという方にもおすすめです。
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美味しいコニャックの飲み方
普段コニャックを楽しむ際に、ひとつの飲み方だけを試したりしていませんか?もしかしたら、違う飲み方をすることによって新しい楽しみ方の幅が広がるかもしれません。
ここからは代表的なコニャックの飲み方をいくつか紹介します。
【おすすめの飲み方】ストレート
コニャック本来の風味や香りを楽しむには、何も入れずに常温でそのままいただくストレートがおすすめ。ブランデーグラス等に注ぎゆっくりと眺めながら少しずつ口に含めば、五感全てでコニャックそのものの香りや色、芳醇な味わいを堪能することができます。
注意点としては、コニャックはアルコール度数が40%前後と高いため、飲みすぎないようにしましょう。
短い時間で飲み切れる分だけグラスに注ぎ、水や炭酸水を「チェイサー」として合間に挟むことも飲みすぎを防ぐには効果的です。
【おすすめの飲み方】オンザロック
ストレートだとアルコールが強くて飲めない、常温よりも冷たいお酒のほうが好きだという方には、オンザロックが最適。グラスに氷を入れてその上からコニャックを注ぎ、グラスの中で転がしながら楽しむ飲み方です。
ストレートよりも香りや味わいがまろやかになり、強いお酒が苦手な方や、あまり飲んだことのない方でも気軽にコニャックを嗜むことができます。
氷は小さいものよりも大きめのものの方が時間の経過とともにゆっくりと溶けていき、目で見ても楽しめるのでおすすめです。
【おすすめの飲み方】トワイスアップ
コニャックの香りを最大限引き出したい時には、トワイスアップを試してみるといいでしょう。トワイスアップとは、氷などは入れずに水とコニャックを1:1の割合で混ぜ合わせる飲み方です。
一般的にアルコール度数20〜30%ほどの状態がコニャックの香りが1番引き立つ状態だと言われているため、ストレートで飲むよりもあえて水を加えたほうがより香りを楽しむことができるのです。
ただし冷水だとなじみが悪くなってしまうので、この飲み方をする際は常温の水を用意しておきましょう。
【おすすめの飲み方】水割り
一見トワイスアップと同じように見えますが、水割りとは氷やミネラルウォーターを使って割合にこだわらずにコニャックを割る飲み方のこと。割合の決まっているものとは楽しみ方や注意すべきポイントがそれぞれ変わってきます。
水割りはアルコールの度数を自由に調節することができるため、お酒に弱い人等には特におすすめ。
無理せずコニャックを気軽に楽しめます。
ただし水を入れすぎるとどんどん薄くなってしまうので、様子を見ながら少しずつ加えていきましょう。
【おすすめの飲み方】ホットブランデー
冬の寒い日や体の冷えが気になる方にピッタリなのがホットブランデー。温めたグラスにコニャックを注ぎ、そこに2〜3倍の量のお湯を注いでいただくのがホットブランデーの一般的な飲み方です。
コニャックは温めるとさらに香りが強く華やかに変化するため、体を温めながら同時に優雅な香りも堪能することができる、なんとも贅沢な楽しみ方。
お好みでレモンや砂糖、ハチミツなどを加えてもとても美味しくいただけます。
【おすすめの飲み方】サイドカー
コニャックはカクテルとの相性も抜群!特にサイドカーはブランデーベースのものの中でもかなりポピュラーで、口当たりが優しく飲みやすいと人気のカクテルです。
作り方はコニャック、ホワイトキュラソー、レモンジュースを2:1:1の割合でシェイクしてグラスに注ぐだけ。
お好みでカットフルーツなどを飾れば、オシャレな雰囲気の中でコニャックを楽しむことができます。
ちなみに、サイドカーのカクテル言葉は「いつもふたりで」。大切な人と2人で楽しむのもいいかもしれませんね。
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まとめ
今回は、高品質なブランデーとして広く知られるコニャックについて紹介していきました。なんだか大人っぽく格式高い雰囲気からか、今までなかなか手が伸びなかった方も多いのではないでしょうか?
実際には初心者から慣れた人までどんな方でも満足できる銘柄が多く、手軽に始めやすい飲み方もあり楽しみ方も様々。
コニャックはとても幅の広いお酒なんです。
この機会にコニャックの歴史や魅力を知り、気に入ったものをぜひ一度手にとってみてはいかがでしょうか。