酒がなかなか抜けないのはなぜ?原因や早く抜く方法が知りたい!
二日酔いで酒が朝になっても抜けない原因
それほど深酒をしたわけでもないのに二日酔いになってしまうということには、いくつかの原因が考えられます。原因を知って対処すれば早く抜ける場合もあるため、まずは原因を突き止めることから始めましょう。
水分不足
アルコールには利尿作用があるため、尿として体から水分が排出されやすくなります。また、酒のおつまみは塩分が高いものが多く、それを排出するためさらに水分が必要になるもの。アルコール以外に十分な水分を補給できないと、体は水分不足に陥ってしまうのです。 一方、体はアルコールを分解するために大量の水を必要とします。脱水状態ではアルコールを分解するのに時間がかかり、分解の過程で発生する有害物質のアセトアルデヒドが血中に残ることに。これが原因で頭痛や目眩などの二日酔いの症状が現れてしまいます。 酒が抜けないと感じたときは、水分を多く摂るようにしてみましょう。酒を飲んだあとにコップ1杯の水を飲むだけでも違うはずです。 なお、理想的なのは酒を飲みながら交互に水を飲むこと。体の水分を補給できるだけでなく、お腹が満たされて酒の飲み過ぎを防げます。 二日酔いの症状が抜けないときは、塩分や糖分が含まれるスポーツドリンクを飲むのがおすすめ。塩分を含んでいる水は胃に優しく、体液に近い成分のため水分が体外へ排出されにくいのがメリットです。しっかり体を潤すことができ、消耗した体に糖分でエネルギーを補給することもできます。睡眠不足
睡眠不足も酒が抜けない原因になります。酒を飲むとよく眠れそうな気がしますが、それは間違い。確かに寝つきは良くなるかもしれませんが、アルコールが分解されるにしたがって体が普通の状態に戻ろうとし、少しの刺激にも敏感になります。目を覚ましやすくなり、浅い睡眠になってしまうのです。 結局睡眠不足で朝を迎えることになり、頭痛など二日酔いの症状が起きてしまいます。このような状態を防ぐ方法は、普段から良質な睡眠をとっておくこと。十分な睡眠が取れていれば、たまに飲んで睡眠不足になっても翌朝の不快な症状は少なくなります。空腹で飲酒している
空腹で飲酒しているのも酒が抜けない原因です。空腹で飲むビールは確かに美味しいものですが、アルコールの吸収が良くなり、食事をとっていたときの3分の1も短い時間で肝臓に運ばれることに。吸収が早いことで血中のアルコール濃度も急激に上がります。当然肝臓に負担がかかり、アルコールの処理能力が低下して酒が残りやすくなってしまうのです。 一方、食事をしてから飲酒した場合は胃から腸への流れが緩やかになり、血中のアルコール濃度もゆっくりと上がるため肝臓にも負担がかかりません。今まで食前にアルコールを飲んでいた方は、まずお腹を満たしてから飲むようにしてみるとよいでしょう。酒が抜ける時間には個人差がある
酒が抜ける時間は誰でも同じとは限らず、個人差も。男女によって違いがあり、酒の種類や体重でも差が出てきます。酒がなかなか抜けないと感じるときは、そのような違いがあることも理解しておきましょう。
女性は男性よりも抜けるのが遅い
アルコールを摂取したあとの血中濃度を調べると、1時間でアルコールを分解する速度の平均は男性で約9g、成人女性では約6.5gとされています。 女性の方が男性よりも酒が抜けるのが遅いという結果ですが、年齢や体格、分解酵素の能力、体調などでもアルコールの代謝は変わるため、個人差が大きいというのが実情です。酒の種類でも抜ける時間が異なる
酒が抜ける時間は酒の種類によっても違いが。前の項目で説明した男女のアルコール分解速度で見ると、アルコール20gを分解するためには男性では2時間ほど、女性で3時間程度かかることになります。 アルコール20gの実際の分量は、酒ごとで見ると次の通りです。ちなみに、厚生労働省が推奨する「節度ある適度な飲酒」も、この分量になります。 ・ビール:中瓶1本 ・ウイスキー:ダブル1杯 ・焼酎:140ml(0.8合) ・日本酒:180ml(1合) ・酎ハイ:500ml 1.5缶 ・ワイン:200ml(グラス2杯)体重も左右する
体重もアルコール分解速度に影響します。基本的に体重が重い人(体が大きい人)ほど肝臓が大きく、アルコール分解速度が速い傾向です。 他にも、顔が赤くならない人は、顔が赤くなる人より分解が速い、高齢になるほど分解が遅くなるなどの傾向があります。 加齢は酒が抜けなくなる原因の中でも大きな位置を占めるものでしょう。次の項目で詳しく紹介します。加齢も酒が抜けない原因になる
「若いころは深酒しても翌朝にはすっかり抜けていた」「飲む量は変わらないのに、最近は二日酔いになってしまう」という場合、加齢が原因かもしれません。 加齢で酒が抜けなくなるのは、次のような原因が考えられます。
肝臓の機能が衰えているから
加齢による老化が原因で肝臓の機能が落ちると、アルコール分解処理能力が低下して酒が抜けなくなります。普段飲酒量が多く肝臓を酷使している方は衰えるスピードも早まるでしょう。アルコールの分解速度が高いのは30代とされていますが、そのあとは徐々に下降していくのが通常です。 肝機能の低下に合わせ、酒量を調整するなどが必要になるでしょう。体内の水分量が低下しているから
酒を飲むことで体の水分が不足しがちになりますが、加齢によってもともとの体も水分量が低下してきます。そこにアルコールを摂取することで、ますます水分不足が加速してしまうのです。 人の体内水分量は赤ちゃんの頃は80%と高く、歳を追うごとに減少していきます。成人では約60~65パーセントで、70歳を過ぎるころには50%程度です。体の水分量が足りないと血中アルコール濃度が高くなり、少しの酒量でも酔いやすくなります。水分不足でアルコールの分解も遅くなり、酒が抜けるのも遅くなるでしょう。 年齢が高くなったらなるべく飲む量を控え、飲酒時は水を多く取るようにする必要があります。二日酔い防止!酒を早く抜く方法
翌日も仕事があり、どうしても早く酒を抜きたいということも多いでしょう。少しでも早く酒を抜いて、二日酔いを防止する方法を紹介します。
飲酒中や飲んだあとに水をたくさん飲む
前の項目でも説明しましたが、飲酒中や飲んだあとに水を飲むことを心がけましょう。飲酒時に水を用意し、交互に飲むのが一番良い方法です。それができないときは、最後にコップ1杯の水は忘れずに飲むようにしてください。次の日に酒を残さないおすすめの飲み物
翌日に酒を残さないためには、次のような飲み物もおすすめです。トマトジュース
二日酔いは、アルコールを分解する過程で発生する有害物質のアセトアルデヒドが残ってしまうことが原因。アセトアルデヒドの分解には酵素が必要ですが、トマトジュースに含まれる水溶性成分には、この酵素の働きを助ける作用があります。 トマトが血中アルコール濃度に与える影響を調べる実験も行われており、飲酒時にトマトを一緒に食べると急激なアルコール濃度の上昇を抑えることがわかりました。酔いの回りを緩やかにし、酔い覚めを早くする可能性があることが確認されています。アミノ酸飲料
アミノ酸は肝臓の働きを高めるため、飲酒後に飲むことでアセトアルデヒドの代謝を促し、早く酒を抜く効果が期待できます。 飲みすぎたと思ったとき、二日酔いでなかなか酒が抜けないと感じるときにおすすめです。酒を早く抜くためにやってはいけないこと
早く酒を抜きたいからと、ついやってしまいがちなのが、汗をかいてアルコールを流そうとすること。しかし、サウナに入ったり、運動したりするのはNGです。
サウナに入る
二日酔いの状態は体が脱水状態になっているため、汗をかいても脱水症状が進んでしまうだけです。血中アルコール濃度がさらに高くなり、二日酔いの症状も悪化する可能性があります。血流が良くなって肝臓に血液が集まらなくなり、アルコールの代謝速度も鈍ってしまうでしょう。 温度の高い場所に入ることで血圧が急上昇する危険もあります。サウナに入るのは、少なくともアルコールが完全に抜けるのを待ってからにしましょう。運動する
運動もサウナと同じく、二日酔いの症状を悪化させる恐れがあるため控えてください。運動することで筋肉への血流量が増えると、肝臓への血流が減少してアルコールの分解処理機能が低下してしまいます。 二日酔いの回復が遅れるでしょう。血圧の急激な変化の危険があるのもサウナと同様です。水分を十分とり、安静にして回復を待つようにしてください。無理やり吐く
酒を無理やり吐こうとしても、アルコールは抜けません。酒を飲んでからある程度の時間が経っている以上、アルコールはすでに体に吸収されています。 吐くことでアルコールを体からすべて排出させることはできないのです。無理やり吐くことは食道や胃を傷める原因にもなるので、絶対にやめましょう。まとめ
酒が抜けない場合の原因や対処法について見てきました。早く抜けない原因はさまざまですが、飲み過ぎによる水分不足は大きな原因のひとつといえるでしょう。若いころに比べて抜けなくなったと感じる場合は、肝機能が低下している可能性があります。 なるべく飲酒は控えるか、適量を心がけるのがおすすめです。水分を十分取りながら、翌朝に残さない程度に酒を楽しみましょう!