焼酎は太る?太らない?飲み方や甲類・乙類の違いにも注目!
焼酎は太りづらいお酒
「焼酎は蒸留酒なので太らない」という話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。実際に焼酎は日本酒やビールに比べると太りづらく、二日酔いにもなりにくいお酒です。どうして太りづらいのか、その秘密を探ってみましょう。
糖質がゼロ
焼酎は蒸留酒に分類され、糖質がゼロのお酒です。糖質は甘いものだけでなくデンプンも含むもの。焼酎にはそれらがすべて含まれていないということです。 お酒は製造方法によって大きく醸造酒と蒸留酒に分けられ、醸造酒は、米や麦、ぶどうなどの原料を酵母でアルコール発酵させて造るお酒のこと。原料に含まれる糖質や色素、アミノ酸などの成分が多く残されています。 一方、蒸留酒は醸造酒を1度蒸発させ、蒸留という工程を経たもの。原料の脂質や糖質などが取り除かれ、アルコールが凝縮された純度の高いお酒です。焼酎はこの蒸留酒になります。 蒸留する過程で原料に含まれていた糖質が除去されているため、糖質はほとんどゼロ。文部科学省の「食品成分データベース」によると、焼酎の糖質(炭水化物量)は0gと記載されています。 太る原因の多くは糖質の摂り過ぎなので、糖質ゼロの焼酎は太りづらいと考えていいでしょう。ビールや日本酒との違い
焼酎の他によく飲まれているビールや日本酒は醸造酒です。蒸留酒である焼酎と違って糖質などが多く、飲みすぎると太る原因になります。 焼酎がビールや日本酒と違って太らない、太りづらいとされるのは原料の糖質が残されていない蒸留酒だからというわけです。カロリーはあるので注意
糖質がゼロとは言っても、焼酎にはアルコールが含まれています。しかもアルコール度数は高く、比較的度数が低いものでも20度です。他のお酒に比べてかなり高い傾向にあります。 このアルコールはエネルギーに換算され、カロリーになるものです。アルコール1gは7kcalで、25度の焼酎であれば100mlあたり146kcalになります。 他のお酒100mlあたりのカロリーは、「食品成分データベース」によると次の通りです。 ビール(4~5%) 40kcal ワイン(10~11%) 73kcal 日本酒(15~16%) 103kcal ウイスキー(40%) 237kcal カロリーだけ見ると、焼酎はビールや日本酒より太りやすいのではないかと思えるでしょう。 しかし、実際にはビールと焼酎の100mlは異なるもの。ビールを飲もうとすると1缶およそ350ml、中ジョッキでも350ml〜多くて500mlしまいますが、焼酎はサワーや酎ハイなどで薄めて飲むのが一般的です。太りやすいかは、一度に飲む量がどのくらいかも考慮して判断するのがいいでしょう。甲類と乙類で異なる
焼酎には甲類と乙類があり、それぞれアルコール度数が違います。この2つは酒税法の区分で、製造方法が異なるもの。連続蒸溜という製法で造られる甲類焼酎は純度が高く、アルコール度数は36未満と定められています。乙類焼酎は単式蒸留で45度以下。実際に市販されている焼酎は20度〜25度のものが一般的です。 それぞれの100mlあたりのカロリーは次の通り。 ・甲類焼酎:206kcal ・乙類焼酎:146kcal 甲類焼酎の方が高めですが、リーズナブルでクセのない甲類焼酎はサワーや酎ハイなど薄めて飲まれる場合が多く、実際のカロリーはそれほど気になりません。 一方、乙類焼酎の中でも本格焼酎と呼ばれるものはストレートやロックなどで味わう場合も多く、カロリーオーバーの可能性が高くなるので注意が必要です。焼酎は糖質ゼロですがカロリーは高め。もっとも、お酒のカロリーはエンプティカロリーといってすぐに熱となって発散し、体に蓄積されにくいと言われています。しかし、まったく太らないと断言することはできません。焼酎は太らないお酒というわけではなく、他のお酒に比べて太りづらいお酒である、というのが正しい解釈になるでしょう。
太る・太らないは飲み方による
焼酎は糖質がゼロで太りづらいお酒ですがカロリーはあるため、確実に太らないとは言い切れません。飲み過ぎれば太る原因になります。ここでは太らないための飲み方や、注意したい飲み方について紹介しましょう。
ストレートやロックは避ける
焼酎の飲み過ぎはカロリーオーバーになり、太りやすくなります。飲み過ぎに注意するためには、できるだけストレートやロックで飲むのは避けた方がいいでしょう。 少ない量をストレートやロックで味わうのは良いですが、たくさん飲みたいときはなるべく水割りかソーダ割りで飲むようにしてください。 本格焼酎など、ストレートで香りと風味をゆっくり味わいたい場合は、間にお水やお茶を挟みながら少しずつ飲むようにするとよいでしょう。割る飲料の糖分やカロリーに気をつける
焼酎を何かと割って飲むとしても、ジュースや甘い炭酸飲料など糖分が含まれているものは避けてください。糖分とは、甘いもの一般と考えてもいいでしょう。水やお茶など、カロリーのないもので割りましょう。 居酒屋などで甘い酎ハイやサワーばかりを頼んでいたら太りやすいので、水割りやお茶割りを頼むのが無難です。おつまみの内容にも注意
お酒が太りやすいのは、おつまみにも原因があります。お酒が入ると食が進み、ついカロリーが高いものを食べてしまいがちだからです。 焼酎に合う美味しいものを食べたくなる気持ちはわかりますが、揚げ物など高カロリーなものは避け、野菜サラダや冷奴などなるべく低カロリーのものを選ぶようにしましょう。太りにくい焼酎の飲み方
焼酎は他のお酒に比べて太りにくいからと、飲み方を気にせずに飲むのは要注意です。飲み過ぎは太りやすくなるだけでなく、健康にも良くありません。できるだけ太りにくい飲み方を心がけましょう。おすすめの飲み方を紹介します。
アルコール度数を下げる水割り
焼酎で太りやすい原因のひとつがアルコールなので、なるべく度数を下げる飲み方がおすすめです。グラスにロックアイスを入れ、水を半分ほど入れてから焼酎を注いでください。割合により飲み口も変わるので、いろいろ試して好みの比率を見つけましょう。 水は軟水のミネラルウォーター、ロックアイスは天然水で作ったものを選べば、より美味しく飲むことができます。 ただし、水で薄めると飲みやすくなるため、つい飲み過ぎてしまう可能性も。水割りにした意味がなくなるので注意してください。初めから「この量を飲む」と決めてから飲むようにするのがよいでしょう。香りが楽しめるお湯割り
寒い日などにはお湯割りもおすすめです。温めることで焼酎の香りが強まり、湯気とともに立ち上がる香りを楽しむことができます。また、舌を冷やさないため、焼酎の味わいをより感じやすくなるでしょう。 お湯割りは原料の香りや味わいが個性を持つ本格焼酎を飲むときに適しており、特に濃厚な風味の焼酎におすすめの飲み方です。 まず、耐熱グラスか湯呑みにお湯を入れます。お湯を注いでから別のコップに移し替えるとちょうど良い温度になるので、ぜひ試してみてください。そのあと焼酎をゆっくりと注ぎます。焼酎6、お湯4の比率が一般的ですが、こちらもお好みで調整してください。爽やかに飲めるソーダ割り
焼酎が初めての人でも飲みやすいのがソーダ割りです。アルコール度が低くなるだけでなく、炭酸の爽やかさでスッキリ味わうことができます。 レモンを搾ったり、ミントとライムを入れてモヒート風にアレンジしたりすれば、より爽やかに味わえます。グラスに氷を入れ、冷やした炭酸水をゆっくり注ぎましょう。 焼酎1、炭酸水3の割合がちょうど良い美味しさですが、好みで変えても大丈夫です。ダイエットにおすすめな焼酎の飲み方
「ダイエット中でも焼酎が飲みたい!」という方には、ダイエットにおすすめな飲み方もあります。
緑茶で割る
水の代わりに緑茶で割る緑茶割りは、ダイエットにおすすめの飲み方です。緑茶に含まれるカテキンは肝臓での脂質代謝を高める作用があり、エネルギー消費が上がって体脂肪を減らす効果が期待できるでしょう。 また、カテキンはポリフェノールの一種で抗酸化作用が高く、活性酸素を減らして体の老化を防ぐ作用があるとされています。 緑茶割りにすることでダイエット効果が高まり、美容効果も期待できるというわけです。緑茶で割れば爽やかな香りと苦味が加わり、より焼酎が美味しく飲めるのもおすすめのポイント。お湯割りに梅干しを入れる
お湯割りに梅干しを一つ入れる飲み方がダイエットに効果的と評判です。梅干しにはバニリンという成分が含まれます。バニリンは抗酸化物質の一種で、脂肪燃焼作用があるとされ、梅干しを毎日食べている人は食べていない人に比べ、BMI値(肥満度を知る値)が低いという実験結果もあります。 もともと梅干しと焼酎は味の相性が良いことで知られている組み合わせです。梅干しの酸味が焼酎のアルコール臭を和らげ、アルコールが弱い人でも飲みやすくなります。 さらに梅干しは、胃液を分泌して消化を助ける働きもある優れものです。胃腸の粘膜を保護して二日酔いの予防効果もあり、ダイエットしていないときでも積極的に取り入れたい飲み方といえるでしょう。飲み過ぎを防ぐために水と交互に飲む
焼酎は飲み過ぎなければあまり太る心配はありません。しかし、どうしても飲み過ぎてしまうという方は、水と交互に飲めば飲み過ぎを防ぐことができます。 そもそもアルコールには利尿作用があり、水分を体外に排出しやすくするもの。飲み過ぎは体内の水分量を減らし、脱水状態を引き起こしやすくしてしまいます。そのような状態を避けるためにも、合間に水を飲むのはおすすめの方法です。まとめ
蒸留酒である焼酎はほかのお酒に比べて太りにくいとされています。ただし、どんな飲み方をしても太らないわけではありません。甘いジュースなどで割った酎ハイには注意が必要。飲み過ぎにも気をつけてください。