定価購入の難しい白州ウイスキーとは?定価・種類・特徴を解説!
ウイスキー愛好家の間では、その洗練された味わいと希少性から熱烈な支持を集めるブランドです。
白州蒸留所は、山梨県北部の清らかな環境に位置します。そこで丁寧に手間暇をかけて造り上げられた「白州」は、爽快な香りと深みのある味わいが特徴的です。
サントリーの看板商品でありながら、生産量が限られるため市場での入手が困難であり、「白州」は定価以上の価格で取引されることも少なくありません。
今回は、希少価値の高い「白州」の魅力を、余すところなく解き明かすとともに、ラインナップの全容と各商品の特徴、そして市場価格の実態にも迫っていきます。
白州(はくしゅう)ウイスキーの定価を紹介!
サントリーの代表作「白州」には、様々な熟成年数と価格帯のラインナップがあります。
まずエントリーモデルの「サントリーシングルモルトウイスキー 白州」は7,000円。フレッシュで爽やかな味わいが特長の、手頃な価格帯の一本です。
次に、「サントリーシングルモルトウイスキー 白州12年」は15,000円。1994年に発売されたこのモデルは、酒齢12年以上のモルト原酒をブレンドしたものです。
さらに「サントリーシングルモルトウイスキー 白州18年」は55,000円。18年以上の長期熟成ならではの味わいが特徴です。
そして最高峰が「サントリーシングルモルトウイスキー 白州25年」で、なんと360,000円。25年を超える貴重な原酒を厳選ブレンドした、複雑な味わいを楽しめます。
このように「白州」には、価格帯に応じて様々な個性的な味わいが存在し、ウイスキーファンを魅了し続けています。
白州シリーズ名 | 公式価格 | 容量 | アルコール度数 |
サントリーシングルモルトウイスキー 白州 | 7,000円 | 700ml | 43% |
サントリーシングルモルトウイスキー 白州12年 | 15,000円 | 700ml | 43% |
サントリーシングルモルトウイスキー 白州18年 | 55,000円 | 700ml | 43% |
サントリーシングルモルトウイスキー 白州25年 | 360,000円 | 700ml | 43% |
定価購入の難しい白州ウイスキーの一覧を紹介!
白州シリーズは、すべてにおいて定価で買うことが難しいものばかりです。それぞれに味わいや特徴の違いがありますので、じっくりと見てみましょう。もし手に入るとしたら、どの味わいを試してみたいか考えながら読み進めてみてください。
白州(2012年)
基本商品の「白州」は、ほのかなスモーキーさとフルーティーを感じる香りが特徴的です。モルトの甘みと軽やかなピートの風味が見事に調和し、キレの良い味わいが楽しめます。
「白州」には、さまざまな原酒がブレンドされた、複雑で奥行きのある味わいも感じることができるでしょう。それらの個性的な原酒が重なり合うことで、フレッシュできれいな香味が生み出されているのです。
製造においては、伝統の銅製ポットスチルが使われ、日本の四季の変化を感じさせるような、繊細な味わいに仕上がっています。
静かな夜に、あるいは食事とのペアリングとして、その爽快な口当たりとクリーンな後味が、新鮮な体験を提供してくれます。「白州」は、上品で清らかな風格を湛えながらも、多彩で奥深い味わいの魅力に富んだ、日本を代表するシングルモルトウイスキーなのです。
白州10年(2012年) 【終売】
「白州10年」は、酒齢10年以上のモルト原酒のみを使用した、希少なシングルモルトウイスキーです。ほのかなスモーキーさと爽やかな甘みを併せ持つ、クリーンできれいな味わいが特徴的です。白州は「森薫るウイスキー」の愛称通り、青りんごやミント、若葉を思わせる新緑の香りとフルーティーな風味が魅力です。
白州10年は、それらの白州らしい香味に加え、バニラのようなまろやかな甘みと、適度なスモーキーさ、軽快な口当たりを実現していました。ストレートはもちろん、ハイボールにしても美味しく、飲みやすさも人気の一因でした。
しかし2013年に出荷が終了し、店頭在庫が無くなるまでの期間限定販売となってしまいました。その理由は、白州ブランドの人気が高まり過ぎ、モルト原酒が慢性的に不足していたためです。
白州10年は、長期熟成の18年や25年ボトルよりも入手が一層困難になり、希少価値が高まっています。今後再販される可能性は低く、市場からの買い占めが進み、プレミア化が避けられない状況にあります。
白州12年(1994年)
サントリーの人気銘柄「白州」の中でも、際立つ存在が「白州12年」です。この淡麗でキレのある味わいは、ウイスキー愛好家から一般の方まで幅広い支持を獲得しています。「白州12年」は、山梨の白州蒸留所で12年以上熟成された希少な原酒のみをブレンド。アルコール度数43度ながら、スムースでまろやかな口当たりが魅力的です。
香りはバニラやナッツの甘み、スモーキーなピート。味わいは爽やかな果実味に加え、心地よい甘みが広がり、すっきりとした後味が印象的です。
「白州」ならではのフルーティーな香りと、適度なスモーキーさのバランスも絶妙で、「森薫るウイスキー」の愛称通り、森の新緑を思わせる風味が特徴的です。 ストレートからハイボール、ソーダ割りまで、様々な飲み方で美味しく楽しめます。1994年の発売以来、「白州12年」はサントリーを代表する銘柄に成長。ただ、一時休売期間を経て数量限定での再販などの理由もあり、市場に出回る数が少ないので中々定価では手に入りにくい状態です。
白州18年(2006年)
サントリーの看板商品「白州」シリーズの中でも、特に高い評価を受けているのが「白州18年」です。この逸品は、酒齢18年以上の長期熟成モルト原酒のみを厳選ブレンドしています。
熟した果実やウッディーな森の香りに、ほのかなスモーキーさが漂います。長期熟成により刺激的なピート香は抑えられ、甘みが前面に出た味わいとなっています。
口に含むと、ナッツやバニラの香ばしい甘み、熟した青リンゴやナシのような果実味が広がり、奥行きのある複雑味と、長く続くウッディーな余韻が特徴的です。爽やかな飲み口ながら、奥深い味わいに仕上がっています。
数々のコンテストで金賞に輝き、その高い品質は世界中から評価されています。
サントリーの技術の粋を集めた見事な一本です。日本人の繊細な感性と白州の自然美が凝縮された、まさに芸術品のようなウイスキーなのです。
希少な長期熟成モルトの極上の味わいと、日本人の心憎い趣きが融合した「白州18年」は、日本を代表するウイスキーの誉れにふさわしい銘柄と言えるでしょう。
白州25年(2008年)
サントリー「白州」シリーズの最高峰が「白州25年」です。この逸品は、25年を超える極上の長期熟成モルト原酒のみを厳選し、さらに時間をかけて、丁寧に後熟を重ねて造られました。
バニラのようなクリーミーな香りとウッディーな樽香、ほのかなスモーキーさが絶妙な香りを表現します。口に含むと、熟したマンゴーやレーズンなどの凝縮された果実味と、上品な柿のような甘みが広がります。
最後は、青リンゴやナシの爽やかな果実香と白州らしい森の香り、そして大らかな樽香の余韻が残ります。
この奥深い味わいを可能にしたのが、珍しいシェリー樽熟成のモルト原酒をブレンディングした点です。また赤褐色の外観からも、スモーキーな風味が伺えます。
長期熟成の極上モルトとシェリー樽モルトのみの贅沢な造りは、サントリーの技術の極みと言えるでしょう。数量限定ながら、権威あるコンテストでも金賞を獲得する本格派の味わいです。まさに最高級の日本産ウイスキーの逸品と呼ぶにふさわしい、芸術的な一本と言えます。
白州ウイスキーが作られる「白州蒸留所」を解説!
白州シリーズの味わい深さを支える「白州蒸留所」についてみてみましょう。
ウィスキーづくりに欠かせないポイントはどういった点なのか、この蒸留所誕生の歴史を紐解くことで皆さんにもお分かりいただけると思います。
白州蒸留所が選ばれた理由
サントリーが第2のモルトウイスキー蒸留所の立地に選んだのが、山梨県北部の白州でした。この決め手となったのが、名水の里・白州が持つ、仕込みに適した軟水の確保ができることでした。
白州蒸留所は南アルプスの山々に抱かれ、敷地面積約82万平方メートルの広大な森に囲まれています。敷地内を流れる尾白川も、清らかな水質で、日本の名水百選にも選ばれた由緒ある場所です。
こうした自然環境の中で仕込まれたモルトウイスキーは、重厚な山崎とは一線を画す、軽快で穏やかな味わいが特長です。 白州蒸留所の設立により、サントリーは多様な風味のウイスキーづくりが可能になりました。さらに蒸留所自体も「森の中の工場」と呼ばれ、創業者の「良い製品は良い自然から」の理念が貫かれています。
爽やかな新緑を思わせる白州ブランドの香りと味は、まさにこの地の自然から生まれた、サントリーの自然志向の結晶と言えるでしょう。
白州蒸留所の歴史
白州蒸留所は1973年、サントリーが山崎蒸留所に次ぐ第2の拠点として開設しました。この地が選ばれた理由は、南アルプスの恵まれた環境と良質な軟水にあります。開設当初から、独自の製造手法で多彩な原酒造りに注力してきました。発酵では木桶を使い、微生物の働きで特有の風味を生み出します。蒸留も大小さまざまな形状の釜を使い分け、樽の種類も様々です。
2006年には、旗艦商品「白州18年」がコンテスト「ISC」で金賞を獲得。白州ブランドの評価が一気に高まりました。以降、サントリーウイスキーは数々の受賞歴を重ねることになります。
ブレンダーたちは、原酒の熟成状況を日々チェックし、様々な銘柄に最適な原酒を選抜、ブレンディングしています。時には、1日数百種類ものテイスティングを行うこともあります。
将来の需要を見据えた原酒管理も欠かせません。ウイスキー造りは長い年月を要するため、過去からの技術継承と未来への芽を残すことが肝心です。
白州では、2014年に新たな蒸留釜を増設するなど、設備の改修も重ねてきました。このように、白州はつくり手の卓越した技と、自然の恵みを最大限に活かした"多彩な原酒造り"を貫いてきました。そして更なる進化を続けながら、世界に誇れる銘酒を生み出し続けていくことでしょう。
まとめ
今回は、サントリーの人気ウィスキーブランドである「白州シリーズ」について詳しくご紹介しました。白州が作られている蒸留所や、白州の各ラインナップの特徴や価格についても、情報を得ることができたのではないでしょうか。
白州の自然や製法へのこだわりから生まれた味わいは、人々の心をつかんで離さないものと言えるでしょう。プレミア価格がついているものも多いので、定価で見つけることができれば、そのチャンスを逃す手はありませんね。