ラム酒の飲み方を紹介。豊富なバリエーションを1年中たのしもう
ラム酒について
ラム酒と聞くと、アルコール度数の高くて強いお酒のイメージでしょう。本当のところはどうなのか、そもそもラム酒とは一体どんなお酒なのでしょうか?飲み方を紹介する前に、ここではラム酒に関する基礎的な説明をします。
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どんなお酒なのか
ラムを英語で表記すると「rum」となります。こちらはイギリスの方言で「興奮・大騒ぎ」を意味する「rumbullion(ランバリオン)」の略です。最初にラム酒を飲んだ人たちが、酔っ払って大騒ぎをしたことからこの名前が付けられたそう。海賊たちがラム酒片手に大騒ぎしているシーンが浮かんできたところで、さっそくラム酒の原材料や製造方法を説明します。原材料と原産地
ラム酒は、サトウキビの廃糖蜜や搾り汁から造られています。サトウキビからエキスを抽出して造るので、ジャンルは蒸留酒。サトウキビを砂糖にする際に出てくる副産物からラム酒が生まれます。原産地は西インド諸島であることが多いですが、今では世界中で造られており、原産地によって風味が変化するのもラム酒の面白いところです。
製造方法
一般的なラム酒の造り方は「インダストリアル製法」と「アグリコール製法」に分かれます。世界中で生産されるラム酒の98%が前者の方法で、サトウキビから砂糖を作る際に出る「モラセス」という成分を発酵、蒸留し樽の中で熟成させたのがラム酒です。アグリコール製法は比較的新しい製法で、まだ世界での生産量はごくわずか。サトウキビの搾り汁をそのまま原材料として使用します。長期間の保存ができないことからサトウキビ栽培地の近くで限られた時期しか作ることができません。そのためアグリコール製法で造られたラム酒は大変貴重と言えるでしょう。
ラム酒ってどんな味?
あまり飲んだ経験のない方にとって、ラム酒の味はイメージしにくいでしょう。サトウキビが原材料と言われても「甘そうだな」くらいのイメージしかできません。しかし、カラメルを焦がしたような味と言われれば、少し想像できるのではないでしょうか?ほのかな苦味とまろやかな甘さ、そして漂う芳醇な香り。ラム酒はなんとも風味豊かなお酒なのです。
アルコール度数はどのくらいか
ラム酒=強いお酒のイメージが強いです。しかし実際は製品によってかなりの開きがあります。ラム酒のアルコール度数は、低いものでは40%から高いもので75%以上。確かに強いお酒ですが、ウイスキーやテキーラとあまり変わりません。しかしお酒が強くない方や女性は、ストレートで飲むのをためらってしまいますね。ラム酒の種類
ラム酒にもいくつかの種類があります。熟成期間によって色が変わり、この色で分類するのが一般的だそう。ここでは分類方法の詳しい基準と、それによって分けられた3種類のラム酒を紹介します。
色による分類
ラム酒は色や製造方法によって3つの分類がされます。色は「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」。製造方法は、短期間熟成させた「ライトタイプ」、3年以上の長期熟成がされた「ヘビータイプ」、両者の中間にあたる「ミディアムタイプ」です。色の分類をベースに、どの色のラムがどのタイプなのかについて、説明していきます。ホワイトラム
ラム酒を飲みなれていない初心者におすすめなのは「ホワイトラム」です。活性炭によって濾過されているためクセが少なく、女性でも気軽に楽しめるでしょう。また汎用性も高く、カクテルのベースとしても広く使われています。上品な風味から、初心者だけでなく上級者にも人気です。ホワイトラムはライトタイプであることがほとんど。短期熟成ならではの比較的すっきりとした味わいを楽しめます。
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ゴールドラム
ホワイトラムとダークラムの中間にあるのが「ゴールドラム」。樽で熟成させて造る、赤褐色のラム酒です。グラスに顔を近づけると、適度に甘い香りが漂います。ゴールドラムに近いタイプは、ミディアムタイプ。ほどよく熟成されているので、ほのかなコクと甘さが感じられて、バランスのとれたラム酒です。定番のタイプなので、ラム酒好きな上級者はもちろん、初心者にもおすすめできるでしょう。
ダークラム
ゴールドラムと同様に樽で熟成された「ダークラム」。しかし、3年以上の時間をかけて熟成されているので、色味と味がどちらもより濃厚になっています。ダークラムの深いコクと芳醇な香りこそが、ラム酒好きを虜にしていると言ってもよいでしょう。ダークラムに近いのは、ヘビータイプ。どっしりとした旨みが感じられます。美味しく飲む方法
せっかくのラム酒を楽しむのなら、ひと工夫を加えて、より美味しく飲みましょう。ここからはラム酒の風味を一段階上げる、美味しい飲み方のポイントを紹介します。グラスや温度など、小さな変化でガラッと変わる、ラム酒の魅力に触れてみてください。
重要なのはグラスと温度
お酒とは奥が深いもので、グラスや温度帯によって味が変化するものがほとんど。ラム酒も例外ではありません。では具体的に、グラスや温度をどのように変えると、もっと美味しくラム酒を楽しめるのでしょうか?それぞれの変化を説明します。<>h3グラスによる変化 ラム酒を飲む際におすすめしたいグラスは「ブランデーグラス」。ボウル部分が広く飲み口は絞られたデザインが、ラム酒の香りを一段と豊かなものにします。理由はやはり、より多くの空気を含ませられるボウル部分と、香りの逃げ道を塞ぐ飲み口にあるでしょう。ラム酒の魅力を深く知ろうとする場合、グラス選びは欠かせません。
温度による変化
ラム酒を飲む際の温度にも注意してください。ラム酒の甘い香りや風味は、温度の変化によって表情をガラリと変えてしまうでしょう。飲む人の好みやラム酒のタイプによっても最適な温度帯は異なります。ゴールドラムやダークラム、ミディアムタイプ、ヘビータイプのラム酒を飲むなら常温がベストです。逆に、ホワイトラムやライトラムを味わうなら、冷やしてすっきりと楽しむのがおすすめでしょう。
寒い冬には温めて「ホットラム」にするのもまた一興。温めることで甘さや香りが引き立ちます。シナモンやナツメグなどを加えるのも、風味にアクセントができるのでおすすめです。
ラムの飲み方はいろいろ
グラスや温度にこだわり、いろいろと試してみるのはもちろん楽しいです。しかし、そもそもラム酒自体の飲み方も実は数多くあります。温めたり冷やしたりして味わうのはもちろんのこと、飲みやすいカクテルにしたり、ソーダやトニックで割って爽快感を楽しんだりとその方法は限りなくあるでしょう。ここでは初心者におすすめなラム酒の飲み方と太りにくい飲み方を紹介します。
初心者におすすめな飲み方
普段あまりラム酒を飲む機会がないという、初心者の方におすすめな飲み方はカクテルにすること。ラム酒を使った定番カクテルはなんと言っても「ラムコーク」。ラム酒をコーラで割るだけと作り方も簡単なので、自宅で気軽に試せます。寒い時期には「ホットバタードラム」もおすすめ。温めたラム酒に適量のお湯と角砂糖をひとつ、バターをお好みの量入れるとできあがり。ラム酒の風味をバターのコクが引き上げるまたとない組み合わせです。
太りにくい飲み方
ラム酒は100gで240カロリーほど。ビールが40カロリーなことと比較すると、ラム酒はかなり高カロリーなお酒。基本的にはお酒のカロリーはアルコール度数と比例します。そのことを考慮すると、なるほどそれは高カロリーになるわけです。しかし、度数が高い分、ビールのように一度にたくさん飲むという方は少ないでしょう。さらにラム酒は、カロリーは高いですが糖質は低め。割り物を工夫することで、カロリーを抑えた楽しみ方ができるでしょう。低カロリーにラム酒を飲みたい方には、以下3つの飲み方をおすすめします。
・ソーダ割り
・氷を落としてロック
・トニック割り
炭酸をプラスすることで爽快感を上げるとともに、お腹も膨らむので、おつまみを余計に食べてしまうことも少なくなるでしょう。またロックにすると時間と共に水割りの頼み方もできるため、おすすめです。
相性の良いおつまみ
やっぱりお酒を飲むならおつまみも欲しいところ。ラム酒とともに味わうのにぴったりなおつまみは以下の3つです。
・チョコレート
・ナッツ
・ドライフルーツ
どれもラム酒とベストマッチな定番おつまみです。チョコレートとラム酒で甘さの相乗効果を楽しむもよし、逆にナッツの塩気でラム酒の甘みを引き立たせるもよし。またドライフルーツはおつまみとして楽しむのはもちろん、ラム酒に漬け込んで香りを移すのもおすすめです。
日本でのラム酒の歴史
現在では、日本においてもスーパーなどでも気軽に購入できるラム酒。もともとは、カリブ海の島が起源と言われています。日本で古くからラム酒を飲んでいたのは、小笠原諸島。1830年頃から島民は捕鯨船と取引し、ラム酒を入手していたと言われています。