辛口から甘口までおすすめ白ワインを紹介! 選び方と飲み方も解説
どんな基準で選んだらいいのか、まよう人もいるでしょう。まず白ワインの選び方を解説し、辛口、甘口など、おすすめのワインを紹介。さらに白ワインのおいしい飲み方も解説します。
白ワインってどんなお酒?
ワインと聞いた時に、赤ワイン、白ワイン、どちらを思い浮かべるでしょうか? 赤ワインとの違いも含めて、白ワインの特徴を説明しましょう。
白ワインと赤ワインの違いとは?
白ワインと赤ワインにはいくつかの違いがあります。その名前のとおり、白ワインの場合、液体の色の多くは薄い緑、薄い黄色など、白っぽい色をしているのが特徴です。一方、赤ワインは深紅、赤紫など、赤っぽい色をしています。この色の違いはどこから来るのでしょうか?白ワインと赤ワインとではまずブドウの品種が異なります。白ワインで使われるのはシャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、セミヨンなど、白ブドウと呼ばれる品種が多いのです。赤ワインはカベルネ、ピノ・ノワール、メルローなど、黒ブドウと呼ばれる品種が使われます。
色の違いは品種によるものだけではありません。白ワインはブドウの皮を取り除いて果汁だけを発酵させますが、赤ワインは皮も種も一緒に丸ごと発酵させるのです。
発酵させる時の温度も違います。白ワインはフレッシュな風味を引き出すために15~20度程度の低温、赤ワインは25度~30度程度の温度で発酵させるのです。
味もかなり違います。白ワインはすっきりしていて口当たりがさわやか。赤ワインは皮や種も一緒に発酵させるために、タンニンの含有量が多く、独特の渋みが味のポイントになっています。
白ワインの選び方
さまざまな種類がある白ワイン、どうやって選べばいいのでしょうか?いくつかの選び方の基準を解説します。
甘口か辛口かで選ぶ
白ワインは甘口と辛口とに分けることができ、その基準となっているのは残糖度。1リットルあたり4g以上であれば「甘口」、4g以下であれば「辛口」と定められています。甘口は果汁のフルーティーさを損なわないために、発酵を途中で止めてあるのです。辛口は糖分がほとんどなくなるまで発酵させます。一般的に辛口のアルコールは14%前後、甘口は12%前後です。現在、世界的に辛口志向が強く、辛口ワインが主流になっています。
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ブドウの種類で選ぶ
白ワインがどんなブドウの品種で造られているのかによっても、味が変わります。代表的な品種の味の特徴を説明しましょう。シャルドネ
フランスのブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方が代表的な産地として有名。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、チリなどでも幅広く栽培されています。リンゴやパイナップルのようなフルーティーな香りとまろやかな味わいが特徴的です。ソーヴィニヨン・ブラン
代表的な産地はフランスのボルドー地方とロワール地方。オーストラリア、ニュージーランド、チリなどでも栽培されています。寒い土地で育ったブドウはハーブのような爽やかな香りが特徴的。温かな土地で育ったブドウは柑橘系のすっきりとした香りとほのかな酸味があります。リースリング
フランスのアルザス地方、オーストリア、アメリカのカリフォルニア州などで栽培。リンゴのような爽やかな香りとほんのりとした甘みが魅力的です。エレガントな味わいが楽しめます。甲州
日本固有の品種ですが、海外での知名度も上昇中です。柑橘系の爽やかな香りと酸味がポイント。かすかに灰色がかった薄いピンク色の皮をしたブドウで、皮に厚みがあるため、あえて皮の成分を混ぜたワインもあります。産地で選ぶ
ワインは産地によって選ぶこともできます。代表的な産地をいくつか紹介しましょう。フランス、ボルドー地方
フランスのワインの2大名産地のひとつがボルドーです。赤ワインを造るワイナリーが多いのですが、シャトー・オー・ブリオン、シャトー・マルゴーなどは白ワインのワイナリーとして、高評価を得ています。フランス、ブルゴーニュ地方
もうひとつのフランス2大名産地です。ボルドーが数種類のブドウをブレンドするのに対して、シャルドネだけを使って造るのが特徴となっています。代表的な銘柄はモンラッシェ、ムルソーなど。黄金色をしていて、力強い味わいが魅力です。イタリア、トスカーナ地方
温暖な気候であり、古くからブドウ栽培が行われています。生産される8割以上が赤ワインですが、日常的に飲める白ワインの産地としても知られている地域。軽やかで口当たりの良さが特徴です。フランス、ドイツ、スイスが隣接するアルザス地方
アルザス地方はリースリング、ピノ・グリ、ミュスカなどの白ワインの産地として有名。雨量が少なく、日射しが強いことから、キリッと引き締まった辛口の味が誕生します。アルザス産のワインは通常の瓶よりも細長くて背の高いフルートタイプのボトルに詰めるように義務づけられているのが特徴です。辛口の白ワインおすすめ8選
現在、世界全体で主流となっている辛口白ワインのおすすめ銘柄8選を紹介しましょう。
テヌータカレッタカイエガロエロアルネイス
イタリアのピエモンテ地方の創立550年を超える歴史あるワイナリー、カレッタで造られている白ワイン。自社の所有する畑のみで栽培されているアルネイスという品種のぶどうが使われており、白桃や洋梨の香りと、深みのある味わいが特徴です。ウィリアムフェーブルシャブリ
辛口の白ワインの代表的な存在として知られているのがシャブリ。生産地はフランスのブルゴーニュ地方です。1850年創設という歴史あるドメーヌウイリアムフェーブル社が製造しており、柑橘系のフレッシュな香り、シャープな酸味とすっきりしたクリアな飲み口がポイント。シャルドネの品種のみずみずしさが見事に活かされたワインです。グレイス甲州
透明感のあるグリーンがかったレモンイエローの色調が特徴的な白ワイン。南アルプス、八ヶ岳、富士山などが望める山梨県北杜市明野地区で栽培された甲州を使用しています。甲州の香り、味わいを可能なかぎり引き出すために「シュール・リー製法」と呼ばれる独特の製造方法を採用。約1年間、瓶で熟成させることによって、瓶の中の酸素がワインの中に溶けこみ、バランスの取れた上品な味に仕上がっています。フレッシュでありながら、旨味とコクのある味わいが特徴。トリンバックリースリング
フランス、アルザス地方の歴史あるワイナリー、トリンバックで製造されている白ワインです。キリッとしたドライな喉ごしとシャープな酸味とリースリングの豊かな香りと上質のミネラルがポイント。グリーンがかった淡い黄金色をしており、グレープフルーツやレモンなどの柑橘系の香りも漂っています。ヴィラアンティノリビアンコ
トスカーナをはじめとして、イタリア各地で10以上のワイナリーを所有していて、14世紀創業という歴史あるアンティノリが製造する伝統的なワインです。トスカーナ地方固有のブドウ種、トレッビアーノにマルヴァジーア、ピノ・ビアンコ、ピノ・グリージョなどのブドウをブレンド。オレンジ、バナナ、青リンゴ、シトラス、白桃など、さまざまな果実が混ざり合った深みのあるフルーティーな香りが楽しいワインです。ガゼラヴィーニョヴェルデ
ポルトガルの最北部に位置しているワインの原産地、ヴィーニョヴェルデで造られている微発泡の白ワイン。ヴィーニョヴェルデはポルトガル語で「緑のワイン」という意味です。緑かがった色合いが個性的。完熟前のフレッシュなローレイロ、ペデルナンなどの品種をブレンドして製造しています。微発泡ということもあり、味わいは軽やかで爽やかです。アルプスミュゼドゥヴァン松本平シャルドネ
長野県産のシャルドネをフレンチオーク樽で熟成させた白ワイン。シャルドネはもともとはヨーロッパが原産で、現在、世界各地で栽培されています。甲府盆地独特の寒暖差の激しい気象条件がシャルドネの栽培に最適。ブドウの風味のある上品な味わい、豊かな酸味と爽やかな果実味とが魅力になっています。ドメーヌデュマージュブラン
スペインと隣接しているフランス南西部のガスコーニュ地方で生産される白ワインです。ガスコーニュ地方はアルマニャックの産地として有名ですが、製造元であるグラッサ家がアルマニャックのおもな品種であるユニブランで辛口の白ワインを生産することに成功。さらに改良が続けられ、ユニブランとコロンバールをブレンドしたこの白ワインです。濃厚でありながら、果実味があり、シャープ。フローラルかつ柑橘系の香りも魅力的です。甘口の白ワインおすすめ5選
辛口が主流となっている白ワインですが、甘口の白ワインはまろやかでフルーティーなので、初心者でも飲みやすいお酒です。食後にデザート感覚で飲むこともできます。代表的な5銘柄を紹介しましょう。
シャトークーテソーテルヌバルザック
フランス、ボルドーのバルザック村にあるシャトー・クーテはもともと13世紀に要塞として建てられ、1643年からワインの製造を始めた歴史のあるワイナリーです。クーテは「ナイフ」という意味。セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルなどの品種をブレンドして造られており、マンゴー、パッションフルーツに通じるトロピカルフルーツの香りに加えて、蜂蜜、バニラなどの香りも漂っています。バランスの取れた飲み口が爽やかです。グランポレール岡山マスカットオブアレキサンドリア
岡山を代表する高品質のブドウであり、「果実の女王」と呼ばれているマスカット・オブ・アレキサンドリアという品種によって製造されたワイン。ブドウの香り成分がもっとも高くなる時期のブドウを選別して使用し、香りと味わいを最大限、引き出すべく製造されています。マスカット独特の気品のある香りとエレガントな味わいが絶妙にミックス。食前酒やデザートワインとしてもぴったりです。関連記事
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マドンナリープフラウミルヒ
オランダ出身のペーター・J・ファルケンベルクが1786年に創設したドイツ、ラインヘッセン地方にあるワイナリーで造られたワイン。かつての聖母教会の修道僧によって造られていたことから、「聖母の乳」という意味の「リープフラウミルヒ」という言葉がつけられました。「マドンナ」という名前は礼拝堂の聖母のことで、ラベルにも聖母像が描かれています。複数のブドウをブレンドして造られており、軽やかな甘さと爽やかな後味がポイント。サンタアリシアレイトハーベスト
ブドウの女王と呼ばれるマスカット・オブ・アレキサンドリアをベースに使ったチリのワイナリー、サンタアリシアが製造する甘口白ワインです。貴腐ブドウが約30%使われているのが大きな特徴。貴腐ブドウとはボトリティス・シネレア菌というカビの一種を果皮に付着させて、果皮組織を破壊させ、ブドウ内部の水分が蒸発させて糖分やエキスを凝縮されたもの。濃厚でありつつ、マスカットと甘い蜜と花の香りが漂い、ほどよい酸味があり、すっきりした飲み口になっています。おたる特撰ナイヤガラ
北海道産のブドウ、ナイヤガラのもっとも糖度の高いものを房単位で選りすぐって絞った果汁をさらに氷結凝縮したのがこの白ワインです。ドイツなどで採用されているジュースリザーブという製造方法を使用。発酵させたワインに発酵させていないブドウ果汁をブレンド。濃厚なブドウの香り、独特の風味、天然の甘さのあるフルーティーな味わいが特徴的です。ワイン初心者にも飲みやすいワインとなっています。贈り物にすると喜ばれる白ワイン5選
日常的に飲むワインとはまた違う特別の日に飲むワインがあります。ここでは贈り物にすると喜ばれる、高級白ワイン5選を紹介しましょう。
ガヤエレイシャルドネ
イタリアのピエモンテ州でシャルドネによって製造されていた辛口の白ワイン。「ワインの帝王」と呼ばれているアンジェロ・ガヤの長女ガヤと祖母レイにちなんで、名前がつけられました。17.8度に温度設定されたステンレスタンクで4週間かけて発酵させ、その後、6か月から8か月かけて、バリックと呼ばれる木の樽で熟成。レモン、グレープフルーツなどの柑橘系の香り、上品な酸味とミネラル感が絶妙のバランスでミックスされています。シャブリグランクリュレクロ
フランスのブルゴーニュ地方で、シャルドネのみによって、造られている辛口の白ワイン。特級畑レクロで収穫されたシャブリを使用し、シャブリの中でも最高級品として評価されています。スッキリとしたミネラル感のある味わい、ほんのりとしたハチミツのような甘みが特徴的です。コルトンシャルルマーニュグランクリュルイラトゥール
フランスのブルゴーニュ地方屈指の白ワイン生産者、ボノー・デュ・マルトレイが手掛けている辛口の最高級白ワイン。このワインで使用されているシャルドネが栽培されている畑はミネラルを豊富に含んでおり、ミネラルの上質な味わいと柑橘系、パイナップル、バター、シナモンなどの香りと力強い酸味によって、魅惑のワインが生まれました。ピュリニーモンラッシェプルミエクリュルフェール
フランス、ブルゴーニュ地方のピュリニー・モンラッシェ村でも特級畑となるグランクリュで栽培されているシャルドネで製造。モンラッシェとは「禿げ山」という意味で、石灰分の多い土地であることから付けられました。この土壌から最高級の辛口白ワインが誕生。ブドウの味が凝縮されていて、ピーチ、モンド、オーク樽の香りも加わり、すっきりとしていながらも深みのあるエレガントな味わいが楽しめます。イグレックドシャトーディケム
フランス、ボルドー地方のソーテルヌの格付けで特別第1級と認定されたシャトー・ディケムが造る辛口の白ワインです。ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンをブレンドして製造。アルコール度数が14%と高めで、力強くボリュームがあります。蜜のような豊かな芳香とコクとキレのある味わいが魅力的です。関連記事
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白ワインのおいしい飲み方
白ワインをおいしく飲むためにはいくつかのポイントがあります。ひと手間かけるだけで、かなり違いがあるのです。そのポイントを説明していきましょう。
白ワインの温度にこだわって飲む
白ワインを楽しむ上でこだわりたいのは温度です。一般的に「白ワインは冷やして飲むもの」といわれていますが、冷やせばいいというものではありません。冷やしすぎると、味がぼやけるからです。白ワインのタイプにより、適温は異なります。おおよその目安としては甘口の白ワインは5度から8度、辛口の白ワインは7度から12度、コクのある辛口の白ワインは10度から14度です。冷蔵庫で保存しても細かな温度調節はできません。ワインクーラーに氷水を入れて、ボトルごと冷やすやり方がおすすめです。1分で約1度下がるので、室温との差を考慮して、飲み頃の温度になるまでつけておくのがいいでしょう。
グラスにこだわって飲む
せっかくおいしいワインを飲むならば、グラスにもこだわりたいもの。ワイングラスは小ぶりなものがいいいでしょう。白ワインは冷えた状態で飲むものなので、短時間で飲める分量を注ぐのがおすすめです。もうひとつのポイントは薄めのグラスがいいということ。口の中に入れる時にグラスが薄いほど、ワインの味を感じとりやすいからです。
まとめ
さっぱりとした爽やかな飲み口が魅力的な白ワイン。ブドウの品種、生産地、製造方法、場合によってはどの畑で栽培されたブドウを使用しているのかによって、それぞれのワインの個性が生まれます。
白ワインは繊細にして芳醇なお酒なのです。初心者がジュース感覚で楽しめるものから、特別な日に開けたい最高級品まで、数多くの種類があります。テーブルの上に白ワインがあることで、日々の食生活もより豊かなものになるでしょう。この記事を参考にして、自分好みのワインを見つけて下さい。