アルコール度数が高いお酒ランキング【度・分・%の違いなども紹介】
この記事では、アルコール度数について詳しく解説するとともに、アルコール度数が高いお酒ランキングTOP10を紹介します。安全にお酒を楽しみたいと考えている人は、ぜひ最後まで読んでください。
アルコール度数とは?
「アルコール度数」とは、酒税法によって「温度が15度のとき、原容量百分中に含まれるエチルアルコールの容量」のことを指します。たとえば、アルコール度数が14%のワインがあると仮定しましょう。このワインの全量が100mlだった場合、アルコールが14ml含まれているわけです。アルコール度数は、全体の中にアルコールがどれくらい含まれているのかを割合で示しています。
そのため、ワインの全量が500mlでも750mlでも14%のアルコールが含まれていることになるのです。
また、お酒の種類が変わってもアルコール度数が同じ14%ならば、アルコールの強さは変わりません。このアルコール度数は、日本だけではなく世界でも一般的に使われている基準のため、海外でお酒を購入するときにもボトルや缶に記載されています。
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「度」「分」「%(パーセント)」に違いはない!
アルコール度数には「度」と「%」の2つの表記が存在します。表記によって、アルコールの濃度が異なるのか気になっている人も多いでしょう。これら2つの表記に違いはありません。つまり、アルコール度数「14度」も「14%」も同じアルコール濃度を示しています。
また、アルコール度数を「アルコール分」と記載することも珍しくありません。こちらも度や%と同じように意味に違いはないため、「アルコール分=アルコール度数」と考えて大丈夫です。
アルコールを摂取して酔ってしまうメカニズム
お酒を飲むと、血液中にアルコールが溶け込みます。血液は体中をめぐるため、そのまま脳に運ばれて、アルコールの麻酔作用によって脳が麻痺状態に陥るのです。アルコール摂取量が増えるほど麻酔作用は高まり、頭がボーッとして酔った状態になります。お酒は飲みすぎなければ気分を明るくしてくれますが、飲み過ぎると命の危険がある飲み物です。普段アルコールに強い体質の人でも、日によっては調子が悪くすぐに酔ってしまうこともあります。
自己管理をしっかりと行い、適度な量のお酒を楽しんでください。
酔いの状態は6段階に分けられる
アルコールで酔っている状態は、6段階に分けられます。
爽快期
身体の状態:爽やかな気分になり、人によっては皮膚が赤くなったり判断力が鈍ったりする
血中アルコール濃度:0.02~0.04%
ほろ酔い期
体温が上昇しほろ酔い気分になる。人によっては手が活発的に動き、理性を失う。
血中アルコール濃度:0.05~0.1%
酩酊初期(めいていしょき)
声を荒らげたり、態度が大きくなったりと怒りっぽくなる。立ったときにふらつくこともある
血中アルコール濃度:0.11~0.15%
酩酊期
千鳥足になって真っ直ぐ歩けない。吐き気や嘔吐もあり、呼吸が速くなる
血中アルコール濃度:0.16~0.3%
泥酔期
立ち上がれず、上手く話すこともできない。酷い場合には意識もはっきりしない
血中アルコール濃度:0.31~0.4%
昏睡期
揺り動かしても反応がなく、意識がない。大小便を垂れ流していることもあり、最悪の場合、死に至る
血中アルコール濃度:0.41~0.5%
こうしてみると、酩酊期あたりまでは居酒屋などで目にする光景かもしれません。しかし、その先の段階まで進んでしまうと誰かの介助を受けなければ自宅に帰ることすらできないでしょう。お酒の飲み過ぎには十分に注意してください。
アルコール度数の計算方法
先に紹介した酔いの6段階において、血中のアルコール濃度が高まり昏睡期まで進んでしまえば、最悪の場合死に至ることが分かりました。この血中アルコール濃度は、下記の計算式によって算出できます。
・(アルコール度数×容量)÷(体重×833)×100=血中アルコール濃度(%)
たとえば、体重60kgの人が、アルコール度数5%のビールを2缶(1缶=350ml)飲んだと仮定しましょう。この場合には【(5%×700ml)÷(60kg×833)×100=約0.07%】となり、ほろ酔い期に該当します。
わざわざ自分自身の血中アルコール濃度を計算する機会は少ないかもしれませんが、自分の体調管理をする際に活用してみても良いでしょう。
アルコールは「醸造酒」と「蒸留酒」の2種類
アルコールは「醸造酒」と「蒸留酒」の2種類に分類されます。それぞれの違いについて見ていきましょう。醸造酒とは?
醸造酒とは、米や麦、ブドウを原料に、酵母を加えアルコール発酵させて造るお酒のことです。下記のような種類があります。・ビール:約4.5〜5.5%
・マッコリ:約6〜7%
・シャンパン:約12%
・ワイン:約13.5〜14%
・日本酒:約15〜17%
醸造酒のアルコール度数は、次に紹介する蒸留酒よりも低いのが特徴です。また醸造酒の製造方法は、「単発酵」「単行複発酵」「並行複発酵」など複数あります。原材料に糖分が含まれているか否かなどによって、どの方法で製造するのかが異なるので気になる人は調べてみてください。
蒸留酒とは?
蒸留酒とは、お酒の原料を発酵させたあとに蒸留させて造るお酒のことです。蒸留とは、液体に熱を加えて出た蒸気を、再度冷やして液体にする方法を指します。アルコール度数をグッと高めるのが蒸留です。おもな種類は、次のとおりです。
・焼酎:約20〜25%
・泡盛:約25%〜30%
・ブランデー:約40%
・テキーラ:約40%
・バーボン:約40〜45%
・ジン:約40%~
・ラム:約40%~
・ウイスキー:約40%~
・ウォッカ:約40%~
醸造酒のアルコール度数は高くても20%程度なのに対して、蒸留酒では40%以上のお酒がたくさんあります。
ただし、蒸留酒のようなアルコール度数が高いお酒は、飲むときに水や炭酸水などで割ることも多いため、思っていたよりもアルコールを摂取していなかったということもあるでしょう。
アメリカとイギリスでのアルコール度数の表示について
アメリカやイギリスでは、蒸留酒のアルコール度数を「プルーフ」という単位で示すことがあります。
・アメリカンプルーフ:0.5倍にするとアルコール度数が算出できる(たとえば、80アメリカンプルーフの場合、アルコール度数は40度)
・ブリティッシュプルーフ(イギリス):0.571倍にするとアルコール度数が算出できる(たとえば、70ブリティッシュプルーフなら、アルコール度数は39.97度)
アメリカやイギリスの蒸留酒を飲むときには、ぜひプルーフの表示を探してみてください。
アルコール度数の「低いお酒」と「高いお酒」
次に、アルコール度数の「低いお酒」と「高いお酒」を紹介しましょう。アルコール度数の低いお酒
・ビールをベースに作るカクテル
・リキュールをベースにしてノンアルコールドリンクで割るカクテル
上記のようなお酒は、アルコール度数が低いお酒といえます。ビールをベースに作るカクテルとは「レッドアイ(ビール+トマトジュース)」や「シャンディガフ(ビール+ジンジャエール)」などです。
ビールのアルコール度数は「約4.5〜5.5%」と低く、さらにそれをノンアルコールドリンクで割るため3度程度まで下がります。
また、リキュールをベースにしたカクテルもアルコール度数は低いです。リキュールとは、フルーツなどにシロップや砂糖を加えて作るお酒のことをいいます。
たとえば「カシスオレンジ(カシスリキュール+オレンジジュース)」や「ファジーネーブル(ピーチリキュール+オレンジジュース)」などが代表的なカクテルです。
リキュール単体のアルコール度数は20%程度と比較的高めになっていますが、オレンジジュースなどのノンアルコールジュースで割るため3〜6度程度まで下がります。
アルコール度数の高いお酒
・日本酒や焼酎、ワインなど、ほかの飲み物で割らずに単体で飲むお酒・ジンやウォッカ、ラム、ウイスキーなどのもともとアルコール度数が高いお酒で作るカクテル
ジンやウォッカなどのアルコール度数が高いお酒のことを「スピリッツ」と呼びます。スピリッツは基本的にアルコール度数50%前後と高く、仮に「水:スピリッツ=4:1」で割ったとしても12度前後です。
ビールなどのアルコール度数が低いお酒を飲み慣れている人は注意しましょう。
強いお酒を飲むときは「和らぎ水」を飲もう
もしも、アルコール度数の高いお酒を飲むのなら、お酒と一緒に「和らぎ水」を飲みましょう。和らぎ水とは「チェイサー」とも呼ばれ、お酒と一緒に飲むことでアルコール度数を下げてくれる役割があります。また、お酒を飲むとトイレに行く回数が増えると感じたことはありませんか?それは、アルコールによる利尿作用が働くからです。トイレに行き過ぎると、やがて脱水症状になります。しかし、お酒と一緒に和らぎ水を飲んでおくことで脱水症状を防げるのです。
こうしたことから、アルコール度数の高いお酒を飲むときには、和らぎ水も意識的に飲むように心がけましょう。
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アルコール度数が高いお酒の世界ランキングTOP10
最後に、アルコール度数が高いお酒を世界ランキングで紹介します。ここで紹介するお酒はすべてアルコール度数が高すぎるため、必ず薄めて飲んでください。また、引火しやすいため、火の近くで飲んだり保管したりしないように注意しましょう。
10位:アナーキー82 ノット・サティスファイド(82度)
「アナーキー82 ノット・サティスファイド」は、日本のパンクロックバンド「亜無亜危異(アナーキー)」と、亜無亜危異の代表曲「ノット・サティスファイド」の名前がつけられたポーランド産のウォッカです。
ポーランドでは、アルコール度数が高いことからチェリーなどを漬け込んで自家製果実酒を作るときに使われています。もしも、パンチの効いたカクテルを作りたい人は、少しずつ入れて試してみてくださいね。
9位:サンセット・ベリー・ストロング・ラム(84.5度)
「サンセット・ベリー・ストロング・ラム」は、84.5度のアルコール度数を誇るアメリカ・カリブのラム酒です。こちらは、ホワイトラム酒で、アルコール度数が高い割には味にも定評があります。
カリブ以外にも、カナダやフロリダ、ロンドンなどの各地で行われるラム酒フェスティバルでもアワード受賞歴がある名の知れたお酒です。
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8位:ハプスブルグ アブサン・レッド・ラベル(85度)
「ハプスブルグ アブサン・レッド・ラベル」は、美しく透き通るような水色をしたブルガリア生まれのリキュールです。「アブサン」とは、薬草系のリキュールを意味しており、ヨーロッパを中心に製造されています。
こちらのリキュールはニガヨモギを原料として、パセリやシナモン、ペパーミントなど計17種類もの薬草が入れられているのが特徴です。ほろ苦い味わいですが、ほのかにアロマの香りが漂います。
7位:バルカン176(88度)
「バルカン176」は、たった3回の蒸留によってアルコール度数88%まで高められたポーランド産のウォッカです。
セルビアという山で育まれた上質なグレーンは、少ない蒸留回数のおかげで深い味わいや香ばしい香りが消えることなく楽しめます。ウォッカ愛好家の中でも人気が高いお酒です。
6位:ドーバー・スピリッツ(88度)
「バルカン 176」と同率6位だったのは「ドーバー・スピリッツ」です。アルコール度数が高いお酒はすべて海外製だと思ってしまう人も多いでしょう。
しかし、こちらの「ドーバー・スピリッツ」は日本製です。さらに、アルコール度数は高いのにクリアな味わいで人気があります。
「ドーパー」とは、日本で唯一、製菓向けの洋酒を製造している専門のメーカーです。そのため、もちろんお酒として楽しんでいる人もいますが、消毒液として常備している人も珍しくありません。
「アルコール度数が高いお酒を試すなら、まずは国産がいいな」と考えている人におすすめです。
5位:ハプスブルグ アブサン X.C(89.9度)
「ハプスブルグ アブサン X.C」は、8位の「ハプスブルグ アブサン・レッド・ラベル」のプレミアムバージョンです。
こちらのお酒は「オリジナル」「カシス」「ブラック・フルーツ・オブ・ザ・フォレスト」「レッド・サマー・フルーツ」の4つフレーバーが販売されています。どのフレーバーでも、アルコール度数は驚きの89.9度です。
4位:ポチーン(90度)
「ポチーン」はアイルランドの伝統的なスピリッツです。昔は、90度というアルコール度数の高さから非合法のお酒でしたが、アイルランドの特産品ということもあり1997年に合法化されました。
「ポチーン」はさまざまなメーカーが製造しているため、90度以外にも60度や70度の種類もあります。こちらは、4回もの蒸留を重ねて90度のアルコール度数まで高めている割には、素朴で飲みやすい味です。無色透明の液体のため、カクテルに合わせるのにおすすめします。
3位:ゴッチェ・インペリアル(92度)
「ゴッチェ・インペリアル」はイタリアのハーブ系リキュールです。「皇帝の滴」という意味で、アルコール度数の高いお酒の中で黄色の液体は非常に珍しいといえます。
この黄色の液体は、原材料のひとつ「サフラン」という花を煮出したときに色付くものです。そして、こちらのお酒に色がついているため、おすすめの飲み方はカクテルではなく水割りが良いでしょう。
2位:エバークリア(95度)
「エバークリア」はアメリカ生まれのスピリッツです。こちらは、アメリカで若者がパーティーをするときに悪用する事例があり、一部の州では販売禁止や販売規制がかけられています。
アルコール度数の高さから、残念ながら日本では購入できません。ゴムのような香りが特徴的で、美味しいと感じる人も少ないでしょう。これほどアルコール度数が高いと、ロックやストレートで飲むのは危険です。カクテルや水割りなどで、相当薄めてから楽しみましょう。
1位:スピリタス(96度)
世界で最もアルコール度数が高いお酒は、ポーランド産ウォッカ「スピリタス」です。こちらは、蒸留回数「70回以上」と、これまでに聞いたことがないような回数の蒸留を経ています。高すぎるアルコール度数のため、火に近づけるとすぐに引火してしまうため注意してください。
原産国のポーランドでは、飲料としてのほか、感染症予防の予防や治療、消毒、体臭対策などとしても使われています。雑味がなくクリアな味わいのため、水割りやカクテルなどにおすすめです。
まとめ
この記事では、アルコール度数について解説するとともに、アルコール度数が高いお酒を紹介しました。普段アルコールに強い人でも、その日の気分や体調によってはすぐに酔いが回ってしまうことがあります。そして、血中アルコール濃度が高まり過ぎれば、死の危険もあるため十分に注意してお酒を楽しみましょう。
また、お酒が強い人は、アルコール度数が高いお酒に挑戦したくなる人もいるでしょう。その場合、ロックやストレートではなく、水割りやカクテルなどで楽しんでくださいね。