森伊蔵とはどんな焼酎?特徴や定価、種類、購入方法などを徹底解説!
本記事では、焼酎森伊蔵はなぜ高いのか、出来上るまでの歴史や種類、口コミ、定価で購入する方法などについて解説します。
焼酎「森伊蔵」とは?
森伊蔵(もりいぞう)とは、鹿児島県にある酒蔵・有限会社森伊蔵酒造から1988年に初蔵された芋焼酎です。高い理由として、魔王や村尾と合わせて“プレミアム焼酎の3M”と呼ばれるほど、入手困難な銘柄となっていることが挙げられます。
原料は契約栽培のサツマイモのみを使用し、創業時から受けつぐかめ壺での伝統的な仕込みにより生まれる焼酎は、ふくよかな香りときめ細かな味わいが特徴とされています。
丁寧な仕事から蔵出した3年後から既に定評があったものの、幻の焼酎と呼ばれるようになったのには、元フランス大統領の故ジャック・シラク氏の発言も要因の一つとして有名です。
シラク氏は親日家であり食通・本格焼酎のファンとしても知られ、1996年には森伊蔵を愛飲しているという情報が出回りました。その後、全国・全世界的に知名度が上がることとなります。さらにリピーター人気も衰えを見せず、現在まで幻の焼酎として高額取引の対象となっています。
蔵元である森伊蔵酒造について
森伊蔵酒造は、鹿児島県垂水市で1885年に創業されました。現在の代表者は、5代目にあたる森覚志氏で、父にあたる森伊蔵氏の跡を継いだ後、有限会社として組織化するなど、様々な取り組みを行いました。それまでの鹿児島の焼酎の特徴であった「芋らしい風味」をあえて抑え目にし、伝統の製法に特化することで、独特の風味のある焼酎を生み出しました。伝統的な製法と革新を融合した森伊蔵ブランドの焼酎は、その高い品質と深い味わいで国内外から高評価を受けています。
また、製造している芋焼酎は、森伊蔵1種類のみです。需要が高まっても生産量を変えずに、ひたむきにお酒を造り続けています。
森伊蔵の歴史
森伊蔵酒造は130年以上の歴史ある蔵元で、創業当時は「錦江(きんこう)」という銘柄を扱っていました。現在の5代目当主、森覚志氏が実家の蔵に戻って来たのは1981年のことです。覚志氏は、錦江の芋臭さと都会に住んだ経験から、これでは都心の消費者に受け入れられないと判断しました。
そこから、今までのやり方とは180度異なる方法で独自に焼酎づくりをスタートしました。若い女性でも飲みたくなるような焼酎を目指します。2年の歳月をかけて造られた焼酎は、従来の焼酎とは異なるまろやかな甘みがありました。先代も試飲したところ、「うまい」と漏らすほどの出来栄えです。
こうして焼酎森伊蔵が誕生します。そのおいしさは瞬く間に口コミで広がり、新聞やテレビで取り上げられるほどになります。
百貨店のバイヤーが直接商談に来るまでとなり、その頃には蔵の電話は常にパンク、直接買いに来た客の車が並びすぎて警察が出動するほどでした。
その後はフランス大統領が賞賛するまでとなり、日本だけでなく海外でもブランド焼酎として人気を集めています。
森伊蔵のこだわりと特徴
森伊蔵は、製法や原料に対して、丁寧にこだわりを持って造られています。森伊蔵は、創業以来「かめ壺仕込み」の製法を守り続けています。かめ壺仕込み製法は、森伊蔵の味わいを支えています。使われているかめ壺には、気孔と呼ばれる微細な穴が無数にあり、そこから空気が入り込んで、熟成を促進させるという特徴があります。
焼酎というと、味がキツくクセがあるほか、香りも独特というイメージがあり、飲みにくいと感じる人も多いかもしれません。
森伊蔵はこれらの焼酎のイメージを覆す、サツマイモ由来のふくよかな香りと、まろやかな甘み・旨味が特徴です。マイルドでありながら、焼酎らしいスッキリとした味わいのバランスがよく、ストレートでもロックでもおいしくいただけます。
森伊蔵の口コミ・レビュー
森伊蔵は居酒屋でも稀に提供されていることがあるでしょう。また抽選に当たった人や友人などからもらった人が、味や香りについてSNSに口コミやレビューを投稿している場合もあります。実際にどのような口コミがあるのか、ご紹介します。
- あっさり、さっぱりしている
- 焼酎が嫌いでもおいしく飲める!
- お湯割りよりもロックや水割りと合う
一方で、さっぱり感が強いため、芋焼酎らしいクセが好みの人には物足りないと感じる人もいるようです。
森伊蔵の定価・価格相場はいくら?
森伊蔵の公式ホームページには具体的な定価の記載がなく、詳細につきましては各販売店へお問い合わせくださいとの案内があるのみです。現在の定価は店舗により異なるものの、3,000円(税込)前後とみられます。(2023年9月現在)なお、大手通販サイトでは18,000円(税込)前後と、定価の6倍程度で取引されるのが一般的です。化粧箱入りのものなどは、2万円前後の値を付けることもあり、現在でも価格の高騰が続いています。
森伊蔵が高額の理由
森伊蔵がなぜ高いのかというと、生産数が少なく需要に対し供給量が追いつかないためです。大量生産では味の品質が保てない理由があり、少ない生産本数に対して購入希望者が殺到しています。ここからは森伊蔵が高額の理由を一つずつ解説していきます。
①かめ壺で製造しているため
焼酎には大きく分けると、タンク熟成・かめ熟成(かめ壺仕込み)・樽熟成の3種類があります。タンク熟成とは、ステンレスやホーローなどの大型容器を使い効率的に焼酎を熟成させる方法です。温度や容器自体の管理がしやすいため、多くの蔵元が採用しており焼酎の大量生産を可能としています。
かめ熟成とは、素焼きのかめに焼酎を入れる伝統的な熟成方法です。他にも、ウイスキーのように焼酎を樽に詰めて長期熟成させる樽熟成という方法も挙げられます。
森伊蔵は、創業当初から伝わるかめ壺を使った熟成方法を採用しています。製造効率よりも味にこだわる点が高い品質を維持できる理由の一つです。
②生産量が少ない
熟成は時間がかかるといっても、設備を増設すれば大量生産はある程度可能です。しかし森伊蔵酒造では、知名度が上がったからといって生産体制を増やすことはせず、創業当時の設備のまま製造を続けています。蔵や道具も創業当時のまま変わりません。需要があるのだからと融資の提案は何度もあったものの、身の丈を超えたらうまい酒は造れないとして全て断ったそうです。ビジネスに走るのでなく、あくまでもおいしい焼酎づくりにこだわる姿勢を貫くため、管理ができる生産量にとどめています。
③著名人の評価・絶賛による需要増加
故ジャック・シラク氏の絶賛により知名度が一気に上がった森伊蔵は、一過性のブームで終わることなくその後も評判が続きました。このため、日本国内のみならず海外での人気も高まったことから、2020年には正規輸出を開始しています。 いなど、従来の森伊蔵酒造の焼酎づくりとは180度方法を転換して誕生しました。しかし創業当時から使っていた蔵や道具、かめ壺を使ったかめ壺仕込みは継続しています。森伊蔵の種類
森伊蔵酒造では、森伊蔵以外に取り扱う焼酎の銘柄はありません。日本国内で購入できる森伊蔵は以下の4種類があります。
- 森伊蔵720ml(金ラベル)
- 森伊蔵1,800ml
- 極上 森伊蔵
- 森伊蔵 楽酔喜酒
1:森伊蔵720ml(金ラベル)
森伊蔵720mlは、通称「金ラベル」とも呼ばれており、その名のとおり黄金色の和紙に金色で書かれたかめ壺焼酎のラベルが特徴的な製品です。中身は通常版の森伊蔵1,800mlと同じものであるものの、通常、金ラベルは正規代理店、高島屋の抽選に当たらないと購入できません。その希少性や見た目の華やかさから、贈答用としても人気があります。
アルコール度数は25度、定価は2,970円(税込)、流通価格は14,000円~22,000円(税込)程度となっています。
2:森伊蔵1,800ml
森伊蔵酒造のレギュラー商品であり、唯一の一升瓶が森伊蔵1,800mlです。販売店は森伊蔵酒造のほか、正規販売店の高島屋各店でも購入可能できます。甘みがあり、まろやかな味わいとスッキリとした飲み心地は、ストレートはもちろんロック、水割りなどさまざまな方法で楽しめます。香りを十分に楽しみたいときは、森伊蔵とお湯(40度)を1:1で割るのがおすすめです。
そのときはお湯を先に入れて後から森伊蔵を入れると混ざりやすくなります。アルコール度数は25度、価格は2,860円(税込み)、市場流通価格は18,000円〜30,000円(税込み)程度となっています。
3:極上 森伊蔵
長期熟成タイプの森伊蔵で、旧名称は「極上の一滴 森伊蔵」や「森伊蔵 極上の一滴」として、現在では「極上 森伊蔵」という名称にて販売されています。酒蔵から近い人工洞窟にあるかめ壺で森伊蔵を3年間熟成させて造るプレミアム製品です。販売は正規代理店の高島屋各店舗と、鹿児島県の山形屋での抽選販売のみとなっています。通常の森伊蔵よりも強めの味わいで、長い余韻が楽しめます。容量は720ml、アルコール度数は25度です。販売価格は定価が5,720円(税込)、流通価格は19,000円〜60,000円(税込)程度となっています。
4:森伊蔵 楽酔喜酒
森伊蔵 楽酔喜酒(らくすいきしゅ)は、森伊蔵酒造の創業120周年の記念に数量限定で販売されたボトルです。人工洞窟で約10年熟成させた古酒が使われており、約3,000本の数量限定で販売されました。なお、現在の販売場所や詳細は公式ホームページにも書かれておらず、森伊蔵酒造に要問合せとなっています。薩摩切子のような高級感のある赤色のボトルも特徴で、一目で楽酔喜酒と分かる佇まいです。10年間の長期熟成により芋焼酎にありがちな癖が消え、滑らかかつ繊細な味わいに仕上がっています。
容量は600ml、アルコール度数は25度です。定価は41,800円(税込)、市場流通価格は66,000円〜100,000円(税込)程度となっています。
森伊蔵を定価で入手する方法
森伊蔵はインターネット通販を行っておらず、定価で購入するには以下の3つの方法から選ぶ必要があります。- 森伊蔵酒販の抽選に応募する
- 高島屋か山形屋が行う抽選に応募する
- JAL国際線の機内販売で購入する
1:森伊蔵酒販の抽選に応募する
製造元の森伊蔵酒販では、森伊蔵1,800mlの電話予約販売を行っています。(※)抽選登録期間は毎月15日~25日、抽選結果の確認は毎月1日~14日に行えます。当選者には予約番号がアナウンスされるため、控えるようにしましょう。また、受取方法は店頭受取と発送の2種類があり、発送料は地域により異なります。
電話予約は先着順ではなく、全て抽選形式となり、24時間受け付けています。
※参考: 森伊蔵酒造.「ご購入について」
2:高島屋か山形屋が行う抽選に応募する
高島屋の対象店舗、または鹿児島県の山形屋では、森伊蔵の抽選販売を実施しています。応募期間は毎月1日~10日(山形屋は1日~7日)であり、各店頭で申し込みを行います。当選者には当月中旬以降に当選ハガキが届くため、受取期間中に店舗に持ち込みその場で購入するという流れです。上記は2023年9月時点の情報のため、応募期間や申し込み方法に変更が生じている可能性もあります。実際に申し込みをするときは、事前に店舗に確認するようにしましょう。
3:JAL国際線の機内販売で購入する
JAL国際線では、ファーストクラスとビジネスクラスの機内販売で森伊蔵を販売しています。なお、近年は新型コロナウイルス感染症の影響からマイルとの交換を行っていたものの、直近では事前予約サービスにて機内販売をしています。(※)なお、販売方法は随時変更になることも多いため、日本航空に詳細を問い合わせてから購入するのがおすすめです。
※参考: JAPAN AIRLINES.「〔販売方法変更のお知らせ〕極上森伊蔵」
森伊蔵は現在でも高騰が続く幻の焼酎!
森伊蔵はなぜ高いのかというと、従来の芋焼酎の常識を覆す味わいから、一過性のブームで終わることなく現在でも価格高騰が続いているためです。定価で購入する方法も抽選や機内販売に限られるため、運よく手に入った人はその味わいを十分に楽しんでみてください。なお、森伊蔵のようなプレミア人気銘柄は買取市場でも高額査定が続いています。森伊蔵・魔王・村尾の3Mが家に眠っているのであれば、査定に出してみてもよいでしょう。
まとめ
今回は、森伊蔵についてご紹介しました。森伊蔵は、伝統的な製法と良質な原料にこだわった焼酎であり、まろやかな口当たりで、芋焼酎が初めての方でも飲みやすいという魅力があります。数に限りがあり、定価で購入するのは難しいですが、JAL国内線や抽選販売から定価で購入できる場合もあります。是非、家族や友人との素敵な時間を、森伊蔵とともにお楽しみください。