ラム酒のおすすめ18銘柄を色別で紹介!選び方や飲み方も解説
ラム酒ってどんなお酒?
ラム酒とはどんなお酒なのでしょうか?原料、作り方から歴史、カロリーまで、解説します。
ラム酒の原料と作り方
ラム酒はサトウキビを原料とする蒸留酒です。砂糖を精製したあとに残った廃糖蜜から造る方法としぼり汁からから造る方法があります。廃糖蜜やしぼり汁を発酵させて、蒸留させることでラム酒が製造されるのです。ラム酒の歴史
ラム酒がいつどこで誕生したのか正確なことは不明。しかし17世紀にはすでにカリブ海の島々や西インド諸島でラム酒が飲まれていたというのが通説となっています。 実はサトウキビはカリブ海の島々にも西インド諸島にも自生していませんでした。1492年にコロンブスが新大陸を発見して以降、ヨーロッパの人々によって持ち込まれた歴史があります。カリブ海の島々や西インド諸島がサトウキビの栽培に適した気候だったことから、サトウキビの一大生産地となったのです。サトウキビから砂糖を製造すると、廃糖蜜も同時にできます。この廃糖蜜利用して、ラム酒が造られるようになったのです。 ラム酒の「Rum」という言葉の語源についての有力な説は「興奮」という意味の英語の方言、「ラムバリオン」(rumbullion)から付けられたというもの。つまり飲めば陽気になって興奮するということでしょう。 ラム酒は現在ではカリブ海の島々や西インド諸島の他に、南米、アジアの国々、日本でも造られています。ラム酒は世界4大スピリッツのひとつ
ラム酒はウオッカ、ジン、テキーラとともに世界4大スピリッツと呼ばれているお酒です。 ラム酒の原料がサトウキビであるのに対して、ウオッカは大麦、じゃがいも、ライ麦など、ジンも同じく大麦、じゃがいも、ライ麦など、テキーラはアガベと呼ばれるアロエに似た多肉植物が原料となっています。ラム酒の味とカロリーと糖質
ラム酒の味の大きな特徴は甘さにあるといっていいでしょう。樽熟成されたラム酒はこの甘さに樽特有のほろ苦さが加わり、独特の味わいが生まれるのです。 アルコール度数は蒸留された直後は70度から80度ときわめて高いのですが、ほとんどのものが加水されることによって、40度から50度くらいに調整されて出荷されます。 カロリーはビールやワインなどの醸造酒よりも高めで、100mlあたり約240kcal。しかし蒸留酒であり、糖質がほとんどないので、糖質制限をしている人にとってはありがたいお酒といえます。ラム酒の選び方
ラム酒にはさまざまな種類があります。どのような選び方をしたら良いでしょうか。ここでは代表的な選び方を3つ紹介していきます。
色で選ぶ
ラム酒を選ぶときに、わかりやすいのは色による選び方です。ラム酒は色によって、大きくゴールド、ホワイト、ダークの3つに分けることができます。ゴールドラム
ゴールドラムは琥珀という意味のアンバーという言葉を使って、アンバーラムと呼ばれることも。木樽やバーボン樽で3年未満の期間、熟成された原酒を瓶詰めしているため、樽から染み出た風味に加えて、まろやかな甘さが特徴的です。ホワイトラムとダークラムの中間的な味わいといっていいでしょう。ホワイトラム
ホワイトラムは蒸留して、ステンレス製のタンクで3か月から1年熟成させたのちに活性炭でろ過した無色透明のお酒です。ろ過することによって、雑味が消えてクセのない味になるため、カクテルのベースとしても活用されています。初心者におすすめのラム酒といっていいでしょう。ダークラム
ダークラムは濃い赤茶色、褐色をしたお酒です。原酒を木樽の中で3年以上熟成させるために、樽の風味が深く染みこんでいるところが大きな特徴となっています。この風味を楽しむにはストレートがおすすめです。樽からにじみでた風味の良さから、製菓作りに使用されることもあります。製法で選ぶ
ラム酒の製造方法は2つあります。廃糖蜜から造る方法とサトウキビのしぼり汁から造る方法です。味や風味が異なるので、製造方法の違いに注目して、ラム酒を選ぶのもいいでしょう。インダストリアル製法
廃糖蜜を原料として造るのがインダストリアル製法です。トラディショナル製法とも呼ばれていて、ラム酒の多くはこの製法によって造られています。廃糖蜜は保存性があるため、サトウキビの収穫時期に左右されることなく、ラム酒を造ることができるという利点があるのです。アグリコール製法
サトウキビのしぼり汁を原料として造るのがアグリコール製法。しぼり汁は保存がきかないので、サトウキビを収穫して、すぐに製造に取りかからなければなりません。そのためにアグリコール製法で造られるラム酒の工場のほとんどはサトウキビ畑の近くに建てられています。インダストリアル製法と比較すると、製造量はかなり少なく、その分、希少価値の高いラム酒となるのです。風味で選ぶ
ラムは造り方によって、風味も変わります。3つのタイプを紹介しましょう。ライトタイプ
廃糖蜜と水を原料として連続蒸留器で蒸留し、ステンレスタンクもしくはホワイトオーク樽で熟成されたラム酒はライトタイプと呼ばれます。ライトという名前のとおり、軽やかな味と香りが特徴です。活性炭でろ過をすることでホワイトラムになり、ろ過しないものがゴールドラムになります。ヘビータイプ
廃糖蜜を自然発酵させて単式蒸留器で蒸留させたお酒がヘビータイプです。蒸留時の残液やサトウキビの絞りかすを加えることもあります。内側を焦がした樽でヘビータイプを3年以上熟成させたものがダークラムと呼ばれるのです。ミディアムタイプ
廃糖蜜を自然発酵させたものが原料になっているのがミディアムタイプ。単式蒸留器もしくは連続蒸留器で蒸留し、樽で熟成させます。バランスの良さが特徴です。ミディアムタイプはライトとヘビーとをブレンドする作り方もあります。ラム酒のおいしい飲み方
ラム酒はそのまま飲むのはもちろん、カクテルから料理まで、さまざまな利用方法のあるお酒です。ここではラム酒のおいしい飲み方を紹介しましょう。
ストレート
ラム酒の大きな魅力となっているのは風味と独特の甘みです。この魅力を堪能するにはストレートがいいでしょう。常温のままで、ブランデーグラスのように、香りをグラスの中に封じ込められる容器に入れてゆっくり味わいます。ラム酒好きの人にはダークラムのストレートが特におすすめです。ロック
ラム酒も他のお酒と同じように、温度によって表情を変えます。ホワイトラム、ライトラムはスッキリとした軽やかな味わいが特徴的なので、その良さを活かしてロックで飲むのがおすすめです。氷が溶けて薄くなるのを避けたい場合には、ラム酒を瓶ごと冷蔵庫に保管しておくのもいいでしょう。ソーダ割り
ラムの甘みとソーダとの相性がきわめていいので、おすすめの飲み方のひとつです。ライムやレモンを軽く搾って飲むと、爽快感が増すでしょう。カクテル
ラム酒はカクテルのベースとしても多用されているお酒です。特にクセのないホワイトラムはカクテルに向いています。ホワイトラム・ベースのカクテルで有名なものはモヒート、ダイキリ、XYZなど。いずれも柑橘系を使ったカクテルという共通点があります。ホワイトラムおすすめ6銘柄
ここではホワイトラムのおすすめ6銘柄を紹介しましょう。
バカルディ スペリオール
カクテル・ベースとしても人気の高いのがバカルディ スペリオールです。アメリカンオーク樽で1年から1年半、熟成したのちにろ過されており、雑味だけが取り除かれて、風味が損なわれていないところがポイント。フルーティーな香りとスッキリとした味わいのバランスが絶妙です。マイヤーズラム プラチナホワイト
マイヤーズは1879年に創業された歴史あるラム製造会社。マイヤーズの製造するラムでもっとも有名なのはダークラムですが、このプラチナホワイトも世界各地で高く評価されています。厳選された原酒を長期間にわたって熟成させたのちに、活性炭で丁寧に濾過。マイヤーズの独特な香りと風味を残しながら、まろやかな口当たりと洗練されたスタイリッシュな味わいが楽しめます。トロワリビエール ブラン
フランスの海外県であるカリブ海のマルティニーク島にあるトロワリビエール蒸留所で作られたホワイトラムがこのブランです。サトウキビのしぼり汁を原料としたアグリコール製法で造られており、豊かな芳香とフローラルな味わいを楽しむことができます。ダイキリ、XYZなどのカクテルのベースにも最適です。ハバナクラブ 3年
ハバナという名前からもわかるように、キューバ産のホワイトラム。ホワイトラムとしては長めとなる3年間、樽でじっくり熟成させて製造されているため、バニラやバナナに通じるような甘い香りとスモーキーで香ばしい味わいが特徴となっています。すっきりとした飲みやすさと深みのある味わいを兼ね備えたホワイトラムの代表的な銘柄のひとつです。ロンリコ ホワイト
プエルトリコで1860年に生産が開始された歴史のあるホワイトラム。ロンリコはアメリカの禁酒時代においても、ただひとつ、製造を許可されていたラムの製造会社として知られています。すっきりしたドライな味わいが特徴となっていて、フルーツジュースやソーダ、コーラなどで割って飲んでもおいしいラム酒です。グレイスラム コルコルアグリコール
沖縄の南大東島で栽培されたサトウキビのしぼり汁で作ったのがこのグレイスラム コルコルアグリコール。アグリコール製法で造られているラム酒は世界的にも少ないため、希少価値もあります。すっきりとした口当たりの良さとサトウキビの甘みと風味とが魅力的です。グレイスラムは2004年に設立された沖縄のラム酒製造会社。原田マハの「風のマジム」という小説はこのグレイスラムによるラム酒造りの過程がモチーフになっています。ゴールドラムおすすめ6銘柄
おすすめのゴールドラム、6銘柄を紹介します。
バカルディ ゴールド
バカルディはキューバの港町・サンティアゴの蒸留所で1862年からラム酒の製造を始めた歴史あるメーカーです。バカルディ ゴールドはオーク樽で2年から3年熟成させた原酒を絶妙なバランスでブレンドしてあります。バニラやキャラメルの香りとリッチで厚みのある味、後に残る辛さが特徴的です。イエラム サンタマリア ゴールド
沖縄県の沖縄本島北部にある伊江島産のサトウキビを原料として製造されたゴールドラムがサンタマリア ゴールド。サトウキビのしぼり汁のみから作られるアグリコール製法によって造られています。オーク樽でじっくり熟成されたふくやかな香りとさとうきび本来の甘みが魅力的です。ヨーロッパの人々にマリアの花として愛されているテッポウユリが蒸留所のまわりに咲いていることから、サンタマリアという名前が付けられました。サントリー ラムゴールド
優しい香りとまろやかな味わいが特徴なサントリーのゴールドラムです。黄金色の液体は色彩も鮮やか。クセのない味なので、カクテルベースとして活用するのもいいでしょう。ラム酒の初心者にもおすすめできるラム酒です。シャマレル ゴールドラム
インド洋の楽園、モーリシャス産のサトウキビのしぼり汁を原料とするゴールドラム。ボルドー産フレンチオークの新樽で1年半熟成されているため、サトウキビ本来の甘みと樽からにじみでたウッディな香りとが魅力的です。スパイシーな後味もクセになります。シャマレルは「広大な山の地」という意味になります。ロンリコ151 ゴールド
ロンリコの造るゴールドラム。この151はアルコール度数が75.5%ときわめて高いことが大きな特徴です。オーク樽で熟成されており、樽独特のスパイシーかつフルーティーな風味とまろやかでありながら、コクのある味わいが魅力的。アルコール度数が高いので、トニックウォーターで割るなど、カクテルのベースとして楽しむのがおすすめです。J.バリー アンブレ
J.バリーはカリブ海のマルティニーク島にある蒸留所。26,000リットルという大きな樽で、2年半から3年、熟成されており、バニラ、イチジク、ナツメヤシなどの香りと深みのある味わいとを備えています。ティポンシュというカリブ海で親しまれているカクテルのベースとしても使われるお酒です。ダークラムおすすめ6銘柄
ラム酒好きが特に好むといわれているダークラムのおすすめ6銘柄を紹介しましょう。
マイヤーズラム オリジナルダーク
ジャマイカの歴史あるラム製造メーカー、マイヤーズラムの世界的にも有名なダークラムです。200種類以上の原酒から厳選した20種類の原酒をホワイトオークの大樽でじっくりと4年間熟成して造られています。華麗な風味と芳香、深みのある味わいが世界中のラム酒好きから支持されているのです。香りの良さから洋菓子などでも使用されています。ロンサカパ センテナリオ 23年
グアテマラの標高約2300mの高地で熟成されていることから、「天空のラム」と称されるのがロンサカパです。6年熟成したものから23年間熟成したものまでをバランスよくブレンド。キャラメル、バニラ、バタースコッチ、シェリー、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ドライパイナップルなどの混ざり合った深みのある香りと、濃厚でありながら、まろやかな味わいを備えています。ディアジオ パンペロ アニバサリオ
ベネズエラ産のサトウキビが原料のダークラム。6年間熟成されることによって生まれるドライフルーツ、チョコレート、アロマなどの深みのある香りと力強い甘みが特徴的です。口当たりはマイルドなので、ストレートでの飲み方もおすすめですが、カクテルのベースとしても最適。バカルディ エイト ラム
プエルトリコのラム製造メーカー、バカルディの創始者であるドン・ファクンド・バカルディが家族のために考案したレシピを再現したのがこのダークラムです。アメリカンオーク樽でじっくり8年以上熟成した2種類の原酒をブレンド。ジンジャー、ナツメグなどのスパイシーな香りと長期熟成によるまろやかな味わいが魅力的です。ハバナクラブ 7年
キューバの老舗ブランド、ハバナクラブのダークラム。樽で7年間熟成されており、ココア、バニラ、キューバンシガー、トロピカルフルーツなどの豊かで複雑な香りとまろやかな甘みを楽しめます。ストレートで飲むと、ラム酒本来の味わいと深い余韻を楽しむことができるでしょう。カンチャやラム・オールドファッションドなどのカクテルのベースとしても使用されています。レモンハート デメララ
レモンハートは1804年に生まれた南米北部のガイアナのラム酒です。デメララの大きな特徴となっているのは黒糖やカラメルのような豊かな香り。甘さはやや控え目ですが、その分、香りが際立っています。ビターなテイストは大人の味わいといってもいいでしょう。ストレートで飲むのもよし、コークで割ってラムコークにして飲むのもよし、というラム酒です。まとめ
太陽の光をたくさん浴びて育ったサトウキビが原料となっているせいか、ラム酒は太陽の味がする陽気なお酒という印象があります。華やかさとまろやかさとが両立しているのです。ここで紹介したラム酒はどれも、さまざまな飲み方ができます。この記事を参加にして、好みのラム酒、好みの飲み方を見つけてください。