カクテルの度数は高い?度数の決まり方や度数ごとの代表的カクテルも紹介
カクテルの度数は飲み物の組み合わせで決まる
カクテルはベースとなるお酒にドリンク類や果汁などを組み合わせて作るアルコール飲料です。そのため、カクテルの度数はこれらの組み合わせによって決まります。 ここでは、カクテルの度数を自分でも計算できる方法や、度数を低くしたい場合の組み合わせについて紹介しましょう。
カクテルの度数を計算する方法
カクテルの度数は、まず材料の種類ごとに計算します。ひとつの材料の計算は以下の通りです。 「材料の量×アルコール度数」 100mlのジンがベースであれば、ジンはアルコール度数が40度のため、100ml×40度で4000という数字が出ます。 これにライムを15ml加える場合、アルコール度数は15ml×0度なので、値は0です。 このようにそれぞれ計算した数字を合計し、材料と氷の溶ける分(10mlとして計算)の総重量で割ります。計算式は次の通りです。 (材料の量×アルコール度数)+(材料の量×アルコール度数)÷(材料の総重量+氷の溶ける分10ml)=アルコール度数 具体的なカクテルで計算してみましょう。 ジントニックをジン50ml、トニックウォーター100ml、レモン2mlで作る場合、 1.ジン(50ml×40度)+トニックウォーター(100ml×0度)+レモン(2ml×0度)=2000 2.重量152ml+氷が溶けた分10ml=162 3.1と2を割る:2000÷162=12.3 このレシピで作るジントニックのアルコール度数は約12度です。度数を低くしたいならドリンクを組み合わせる
同じカクテルでも作る人によって分量に違いがあり、アルコール度数は前後します。 しかし、基本的にベースのお酒に違うお酒を加えるお酒同士の組み合わせは、度数が高くなるものです。反対に、ドリンクを加えるカクテルは度数が低くなります。 度数を低くしたい場合は、ノンアルコールのドリンクや果汁を加えるカクテルを選ぶのがよいでしょう。ベース別にカクテルの度数をチェック
ドリンクや果汁を加えるカクテルなら度数は低くなりますが、ベースに使うお酒自体が度数が高いものもあります。その場合、加えるのがドリンクや果汁だけでも度数はかなり高いままです。 お酒が苦手な方はそのようなベースのカクテルは避けたほうがいいでしょう。 ベースに使われるお酒の度数は次の通りです。 ・ジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ウイスキーなど:40度 ・ワイン:12〜15度 ・リキュール:17〜24度 ・ビール:4〜5度
度数が低いのはリキュールがベースのカクテル
カクテルに多く使われるリキュールは、蒸留酒に果物やハーブなどのフレーバーを加えて味や香りをつけ、シロップを加えたお酒です。他のベースに比べると比較的アルコール度数が低いカクテルが作れます。 ただし、甘くて飲みやすいため、飲み過ぎてしまう危険も。ジンやウォッカなどに比べると度数は低めですが、それでもワインやビールと比べると20度前後と高めです。ビールがベースのカクテルも度数が低い
ビールのアルコール度数は5度と、他に比べてはるかに低く、さらにドリンク類と合わせた場合、かなり度数の低いカクテルが作れます。 「カクテルは飲みたいけどできるだけ度数を抑えたい」という方におすすめです。ラム・ジン・ウォッカ・ウイスキーベースは要注意
スピリッツと呼ばれるラムやジン、ウォッカ、テキーラ、ウイスキーなどは40度以上とかなり度数が高く、ドリンク類と合わせたカクテルでも25度を超えてしまいます。飲みやすいからとうっかり飲んでしまうと、酔いつぶれてしまう可能性もあるので注意しましょう。 お酒が弱い方は、これらスピリッツがベースのカクテルは避けるのをおすすめします。 このあとは、度数別のカクテルを紹介しましょう。居酒屋やバーで選ぶ際の参考にしてみてください。【8度以下】安心して飲める・度数が低いカクテル
8度以下で安心して飲めるカクテルを紹介します。どれもジュースなどの感覚で飲めますが、度数が低いからと安心してたくさん飲んでしまわないよう注意しましょう。
カシスオレンジ
カシスオレンジは居酒屋でも定番のカクテルです。甘くて飲みやすく、女性に大人気。カシスを使ったリキュールとオレンジジュースで作ります。シェーカーを使わず、グラスと氷、マドラーを使うだけで自分でも簡単に作ることができる手軽なカクテルです。 一般的なレシピで使うカシスリキュールの量は30mlほどで、オレンジジュース120mlを加えた度数は次のように求められます。 (30ml×17度)+(120ml×0度)÷(150ml+氷の溶ける分10ml)=3.18 3.18度とかなり低い度数に。お酒が弱い方でも、1杯程度なら安心して飲める度数ですね。ピーチウーロン
ピーチリキュールとウーロン茶のカクテル。ピーチリキュールのアルコール度数は15度と控えめで、ウーロン茶と合わせることで低アルコールのさっぱりしたカクテルになります。ピーチの芳醇な香りが楽しめ、ウーロン茶の苦味もリキュールの甘さでまろやかになるのが魅力です。 ピーチリキュール30mlとウーロン茶120mlを加えた度数は、次の通り。 (30ml×15度)+(120ml×0度)÷(150ml+氷の溶ける分10ml)=2.81 3度以下という、度数の低いカクテルになります。ウーロン茶のためカロリーも低く、とてもヘルシーなカクテルです。カシスオレンジでも、カロリーや甘さが気になる方はオレンジジュースをウーロン茶に変えたカシスウーロンにするとよいでしょう。カルーアミルク
「お酒は苦手だけど、カルーアミルクなら大好き」という方はけっこういるのではないでしょうか? 特に女性に人気のカクテルです。コーヒーリキュールの「カルーア」にミルクを加えて作ります。濃厚な大人のカフェオレという感じで、あまりお酒という雰囲気がありません。 もともとは1970年代頃からアメリカのボストンで流行したカクテルで、当時はカルーアを注いだ上から生クリームをフロートしていました。 カルーアコーヒーリキュール30mlと牛乳120mlを加えた度数を計算してみましょう。 (30ml×20度)+(120ml×0度)÷(150ml+氷の溶ける分10ml)=3.75 こちらも低い度数になりました。カルーアミルクは甘く濃厚で、あまりアルコールの感じがありません。 アイスカフェオレの感覚でたくさん飲んでしまうとアルコールの取り過ぎになってしまうので注意しましょう。レッドアイ
ビールベースのカクテルです。同量のトマトジュースと合わせます。レッドアイという名前は、少し飲み過ぎた翌朝の赤い目を表現したもの。ビールの度数が低いうえにトマトジュースと割るため、さらに度数の低い飲みやすいカクテルができあがります。 ビール80ml、トマトジュース80mlを合わせた度数は以下の通り。 (80ml×5度)+(80ml×0度)÷(160ml)=2.5 かなり度数が低く、飲みやすいカクテルができあがります。グラスをあらかじめ冷やしておき、ビールもトマトジュースもよく冷やして作りましょう。【10度台】飲み過ぎに注意したい・度数がやや強めなカクテル
アルコール度数も10度を超えると、かなり酔いが回りやすくなります。飲みやすくても10度を超えるカクテルは注意が必要。2杯、3杯と飲み過ぎないようにしましょう。 ここではおなじみのカクテルの中から、10度を超える要注意のカクテルを紹介します。
ソルティドッグ
ウォッカをベースにグレープフルーツジュースを加える、爽やかなカクテルです。グラスのふちに塩をトッピングして飲むスタイルが有名。「ソルティドッグ」とはイギリス海軍のスラングで、「甲板員」のことです。潮風を浴びながら甲板上で仕事をする姿から「塩辛い犬」と呼ばれるようになりました。 もとはジンをベースにグレープフルーツジュースを加え、塩をひとつまみ加えてシェークしたもの。それがアメリカに渡って現在の形になりました。甘くて酸味があり、飲みやすいため飲みすぎには注意が必要です。 ウォッカ45ml、グレープフルーツジュース60mlを合わせた度数は次の通り。 (45ml×40度)+(60ml×0度)÷(105ml+氷の溶ける分10ml)=15.65 15.65度とかなり高い度数です。お酒に弱い方は、1杯でかなり酔いがまわるでしょう。暑い日にソフトドリンクのような感覚で飲んでしまい、すっかり酔ってしまったなんてことにならないようにしたいですね。キールロワイヤル
有名なカクテル「キール」のベースを、白ワインからスパークリングワインに変えたカクテル。カシスリキュールとスパークリングワインの組み合わせで、カシスの酸味と炭酸の爽やかな味わいが楽しめます。 スパークリングワイン90ml、カシスリキュール15mlを合わせた度数を見てみましょう。 (90ml×12度)+(15ml×17度)÷(105ml)=12.71 12.71度と高めの度数です。カシスリキュールの甘さが加わって飲みやすく、つい飲み過ぎてしまいがち。食前酒の1杯程度にしておきたいカクテルです。アイリッシュコーヒー
アイリッシュウイスキーをベースにした温かいカクテル。1940年代後半、アイルランドのバーテンダーが厳寒の地で冷えた体を温めるカクテルとして考案しました。 ホットコーヒーに特産のアイリッシュウイスキーを入れ、さらに生クリームを浮かべた滑らかな口当りのカクテルです。 アイリッシュウイスキー30ml、ホットコーヒー80ml、砂糖5mlを合わせた度数は、次の通り。 (30ml×40度)+(100ml×0度)+(5ml×0度)÷(115ml)=10.43 10.43度と、やや高めです。1杯だけ飲むなら、体を温めるのにちょうどいい度数といえるでしょう。【25度以上】お酒が弱い人は注意・度数が高いカクテル
バーで注文したくなるおしゃれなカクテルでも、かなり度数が高いものが少なくありません。25度以上のカクテルは、お酒に弱い方なら小さなカクテルグラス1杯飲んだだけでもすっかり酔ってしまいます。 ここでは、注意して飲みたい25度以上のカクテルについて紹介しましょう。
マティーニ
「カクテルの帝王」とも呼ばれる有名なカクテルです。カクテルについてよく知らなくても、マティーニなら知っているという人も多いでしょう。「007」など、アメリカ映画でもたびたび登場して話題を呼びました。 時代やバーテンダーごとにレシピが変わるのが特徴で、近年はドライベルモットを使った辛口が主流でます。 マティーニのレシピとなるジン45ml、ドライベルモット15mlを合わせた度数は次のようになります。 (45ml×40度)+(15ml×15度)÷(60ml)=33.75 ベースに使うジンも、加えるドライベルモットもアルコール度数が高く、33.75という高い度数に。分量の比率によって度数は前後しますが、かなり強いカクテルであることは間違いありません。 一度はバーでマティーニを味わいたいと思っていても、アルコール度数は非常に高いということは覚えておきましょう。ギムレット
ジンにライムジュースを加えたシンプルなカクテルです。ジンの香りとライムの爽やかな酸味でキレのある味わい。レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説に登場し、一躍有名になりました。 ギムレットを構成するジン45ml、ライムジュース15mlを合わせた度数は次の通りです。 (45ml×40度)+(15ml×0度)÷(60ml)=30 お酒とドリンクの組み合わせながら、ジンがベースのためかなり高めの度数に。ライムの爽やかさでうっかり飲み過ぎてしまわないよう、注意したいですね。ルシアン
ウォッカとジン、カカオリキュールという3種類のアルコールを合わせたカクテル。カカオの甘い香りで口当たりがよく、女性好みの味わいが特徴。それにだまされ飲み過ぎてしまうため、「レディーキラー」という名前がつけられています。 ルシアンはジン20ml、ウォッカ20ml、カカオリキュール20mlで作り、合わせた度数は次の通りです。 (20ml×40度)+(20ml×40度)+(20ml×24度)÷(60ml)=34.6 34.6度という、かなり高い度数になりました。飲みやすいだけに注意が必要。お酒が弱い女性は他の度数が低いカクテルを選んだ方がよいでしょう。ダイキリ
ラムをベースにライムジュースを加えたカクテルです。古くからあるカクテルで、19世紀後半、キューバのダイキリ鉱山で働くアメリカ人が命名したとされています。坑夫たちが暑さをしのぐため、ライムを絞ったラムを飲んでいたのが始まりです。 ライムの酸味で清涼感のあるカクテル。夏はダイキリと氷をミキサーにかけ、シャーベット状にしたフローズンダイキリが人気です。 ラム45ml、ライムジュース15ml、シロップ5mlを合わせた度数は次の通り。 (45ml×40度)+(15ml×0度)+(5ml×0度)÷(65ml)=27.69 27.69度とかなり高い数字になりました。カクテルグラスで飲むショートカクテルですが、時間をかけてゆっくり飲みながら、1杯にとどめておいたほうがよさそうです。スカイ・ダイビング
美しく澄んだブルーが、スカイ・ダイビングの名前にぴったりのカクテル。1967年、全日本バーテンダー協会のカクテルコンペティションで1位に入選した作品です。リキュールのブルー・キュラソーが澄んだブルーを作り出し、甘さや苦味がライムの酸味とバランスをとっているのが特徴。 スカイ・ダイビングは基本的に、ラム30ml、ブルー・キュラソー20ml、ライムジュース10mlで作られます。 (30ml×40度)+(20ml×20度)+(10ml×10度)÷(60ml)=28.3 きれいな色と甘く爽やかな口当たりでたくさん飲めそうですが、こちらもアルコール度数は28.3度とかなり高め。飲みすぎにはくれぐれも注意しましょう。まとめ
カクテルは見た目が美しく、フレーバーや甘みなどで味も飲みやすいのが特徴。ついついたくさん飲んでしまいがちですが、度数の高さには気をつけたいもの。特にジンやウォッカなどスピリッツベースのカクテルは、飲むとしても1杯だけにしておきたいものです。お酒に弱い女性は、あらかじめカクテルの度数を知ってから注文するようにしたいですね。