スプリングバンクってどんなお酒?品薄の理由を解説!
流通も少ないうえに、昨今のウィスキーブームで、さらにその価値が上がってきています。実際に、どんなウィスキーなのか見てみましょう。
スプリングバンクはどんなお酒?品薄の理由を解説!
スプリングバンクは、スコットランドの西部に位置する、キンタイア半島の先端付近にあるキャンベルタウンという町の、その名も「スプリングバンク蒸留所」という蒸留所で作られているシングルモルトウィスキーです。キャンベルタウンは海辺の町で、霧が多く発生することでも有名です。
この潮気を含んだ霧の影響で、スプリングバンクは、「塩気がある」という特徴があります。その他にも、スパイシーでスモーキーな味わいがあり、ウィスキー初心者よりも、ウィスキーの経験が豊富な愛好家に好まれる傾向があるようです。
スプリングバンク蒸留所の歴史は古く、創立は1800年代です。キャンベルタウンは港町であり、アメリカに向けたウィスキー輸出の需要が高く、それに伴って蒸留所も多く存在していました。その後、アメリカの禁酒法や世界大戦などの社会情勢の影響によりその数は減少し、現在では3か所を残すのみという状態です。
また、スプリングバンク蒸留所で行われている「フロアモルティング」という特徴的な手作業の精麦方法では、大量生産できないという事情もあります。そのような事情から、スプリングバンクの価格は現在高騰し続けています。
スプリングバンクは酒店でも買える?販売状況と定価を解説!
現在、価格が高騰し続けているスプリングバンクを欲しいと思ったら、どこで購入すればいいでしょうか。お住いの近くにある一般的な酒販店では入手することが非常に難しく、たまたま入荷があれば即完売してしまうため、実店舗で購入するのは運次第といえます。一部の専門店や高級酒類店などでは、抽選販売や予約販売などの特別な販売方法を採用しているところもあります。
一方、スプリングバンクの公式サイトを見ると、定価で一番安いボトルでも52ポンド(日本円で約9,961円)と記載されており、一般の方が手軽に購入するにも高価なイメージがあります。そして、日本から公式サイトを通しての購入は、送料や期間などを考えると、通常では困難と言えるでしょう。
そのため、インターネット通販が現実的な選択肢となりますが、そこではプレミア価格がついているため、希望の銘柄や年号が手に入らない可能性が高くなっています。例えば、一般的な酒類通販サイトでは、定価の2〜3倍以上の価格で取り扱われていることも少なくありません。
人気の高い年代や限定品については、入手するのがさらに困難になっているのが実情です。そのような状況下で、スプリングバンクを手に入れるには、インターネット上の様々な販売サイトを定期的に確認し、入荷情報や価格変動に注意を払う必要があります。
スプリングバンクは種類が豊富!おすすめの銘柄を紹介
スプリングバンクは、その種類の多さも特徴です。熟成年月や、樽の構成、限定バージョンなどもあり、それぞれの味わいも違います。自分に合いそうなものを調べてみましょう。スプリングバンク10年
スプリングバンクの10年熟成のモデルは、スプリングバンクシリーズへの入門にふさわしい一本といえるでしょう。アルコール度数は46%であり、バーボン樽60%とシェリー樽40%という組み合わせで熟成されたものです。
香りは、シリアルのような穀物感を味わえると同時に、ベリーやマンゴー、ブドウなどの果物の爽やかな甘みと、バニラや蜂蜜のような濃厚な甘さを感じられて、そこに樽本来の香りも加わります。
口に含むとオレンジのようなフルーツと、オートミールや大麦麦芽を感じさせるシリアルの香りが広がり、蜂蜜やナツメグ、シナモンなどのスパイスの香りも広がります。そして飲み終わりには、港町キャンベルタウンの特徴である、海塩を含んだ樽の香りを味わうことができるでしょう。
このように、最初の甘い一口から塩味のある余韻まで、複雑でありながら完璧なバランスを楽しむことができます。
公式サイトの価格は700mlで52ポンド(日本円で約9,961円)、流通価格は約25,000円です。
スプリングバンク12年
スプリングバンク12年カスクストレングスは、1年に1回だけ少量生産される限定ボトルです。スプリングバンクの生産責任者が、毎回原酒の配合を決めて瓶詰めを行っています。アルコール度数は54.1%であり、バーボン樽 60%、シェリー樽 40%という組み合わせで熟成されたものです。
香りは、まず初めにトフィーアップル(日本のりんご飴のようなもの)の甘さを感じ、パルマハムのようなスモーキーさや、ヘーゼルナッツ、ナッツの砂糖菓子であるマジパンの香りも広がります。
口に含むと、野草が泥炭化したピートと柔らかいチェリーとアニスの香りが感じられ、カスタードクリームを思わせるクリーミーな口当たりが伴います。最後には、海岸沿いの地域の特徴として、ピートスモークが続き、塩気、オイル、塩キャラメルなどが現れてきます。
公式サイトの価格は700mlで68ポンド(日本円で約13,000円)、流通価格は約58,000円です。
スプリングバンク15年
15年物のスプリングバンクは、キンタイア半島沖に集まる嵐のように暗く、そして同時に深みがあると、公式サイトには記載があります。アルコール度数は46%であり、100%シェリー樽で熟成されています。
一杯目に感じる香りは、塩漬け肉、クローブ、ミント、スープの素、缶詰のプルーンなどが複雑に絡み合います。
また、口に含むと感じるピートの香りは、プルーンやイチジクなどのフルーツや、クルミなどのナッツ、砂糖、ココアパウダー、燻製肉と幅広い香りが交じり合い、煤のような窯の煙とタバコの葉の香りも並行して味わうことができます。最後には、煤、革製品、クルミの香りが際立ち、その後、塩気が感じられます。
公式サイトの価格は700mlで72ポンド(日本円で約13,764円)、流通価格は約42,398円です。
スプリングバンク18年
スプリングバンク18年は、重厚で古典的なフルボディの樽で熟成されます。アルコール度数46%であり、シェリー樽65%、ラム樽15%、バーボン樽20%という組み合わせで熟成されたものです。
香りは、シェリー酒の風味がすぐに現れ、デーツ、レーズンの香りが感じられます。また、ブルーベリー、砂糖のアイシング、レモンの酸味、イチジクのジャムの香りが、口に入れるための心地よい導入を促してくれます。
次に口に含むと、クリーミーさがあり、カプチーノの泡とティラミスの香りが漂います。混ぜ合わせたイチゴ、マジパン、シナモンの香りがこのバランスの取れた一口に加わります。最後には、甘くてジューシーな後味が感じられます。
公式サイトの価格は700mlで110ポンド(日本円で約21,021円)、流通価格は約84,898円です。
スプリングバンク21年
温かみのある黄金色の21年ボトルは、クリーミーで、豊かさと複雑さを味わうことができます。アルコール度数は46%であり、バーボン樽45%、ラム酒樽20%、シェリー20%、ポート15%という組み合わせで熟成されたものです。初めに感じるのは柑橘類の皮、パイナップルケーキの甘酸っぱさ、温かいチョコレートシロップの香りでしょう。焼いたガムとトマトの蔓の葉を思わせる初めの香りには、風味豊かな要素があり、鼻に抜ける微かなピートスモークも漂うでしょう。
口に入れると、熟したマンゴー、乾燥ココナッツ、パパイヤのトロピカルな味が広がり、コーラシロップ、小麦全粒粉のビスケット、ハチミツ、そしてわずかな土っぽさのある香りが広がります。最後には、オレンジの皮、キャラメルの香りを伴う長い余韻を楽しむことができるでしょう。
公式サイトの価格は700mlで250ポンド(日本円で約47,776円)、流通価格は約219,800円です。
スプリングバンク25年
スプリングバンク25年もののボトルは、2024年エディションで、世界に1400本しか流通していないレアな商品です。アルコール度数は46%であり、シェリー酒樽 65%、バーボン樽 5%という組み合わせで熟成されたものです。最初に感じる香りには、強烈なチェリーメンソールのスイーツ、濃厚なブラッドオレンジ、ミルクチョコレート、煮込んだフルーツ、アップルクランブルなどが挙げられています。
次に口に入れると、このウイスキーからカビ臭さ、土臭さ、油っぽい香りが感じられます。かすかなピートスモークもありますが、うっすらと感じる程度でしょう。シェリー樽からは、黒蜜に似たデメララシュガー、イチゴ菓子、甘い野草のリコリス、クルミなどを感じることができます。最後に、微かな甘みと、肉料理のような力強さのバランスの取れた風味を感じるでしょう。
公式サイトの価格は700mlで500ポンド(日本円で約95,553円)ですが、流通価格は約318,000円です。
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まとめ
今回は、スプリングバンクについてご紹介しました。長い歴史を持つ、スコットランドを代表する名門蒸溜所が造り出す、味わい深いシングルモルトウイスキーであるスプリングバンク。ウィスキーが好きなら、ご自分で飲むという選択肢もありますが、これだけプレミア価格がついているものなので、もしスプリングバンクをお持ちの方がいたら買取価格だけでも見積もりしてみることをおすすめします。